脊椎動物の体は、昆虫など他の動物と比べて総じて大きく、複雑で、寿命も長いのが特徴だ。進化の歴史をさかのぼると、ルーツは5億4200万~4億8800万年前のカンブリア紀に現れた動物にたどり着く。ヤツメウナギ、ヌタウナギという無顎(むがく)類だ。現在も生息する無顎類の遺伝子研究が近年進むにつれて、その特異な性質とともに、脊椎動物の進化の秘密も少しずつわかってきた。(今津博文) ■ウナギのようで… 無顎類は一見、ウナギのようだが、硬骨魚類のウナギと違ってあごがなく、脊椎動物でありながら背骨の構造がはっきりしない。動物の進化系統で分類すると、軟骨魚類の一歩手前に当たる。魚類に入れるかどうかでも説が分かれる。多くは古生代に絶滅し、現存するのは円口類と呼ばれるヤツメウナギ類とヌタウナギ類だけ。どちらも丸い吸盤状の口を持ち、他の魚類やその死骸に吸い付くことなどで養分を得ている。 理化学研究所発生・再生
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