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ブックマーク / www.artonx.org (12)

  • L'eclat des jours(2022-11-02)

    _ シェリの最後 以前シェリという映画を観て以下の点がすごくおもしろかった(映画自体とは無関係に)。 わたしの可愛い人-シェリ [DVD](ミシェル・ファイファー) 第一次世界大戦前ということは19世紀末に稼ぎまくった高級娼婦は、椿姫のような悲劇的な人もいただろうが、稼いだ金を元手に投資して富裕層におさまっているという点だ。 主人公の若いジゴロ(といって良いのだろうな。富裕な女性に美貌と男性性によって養われている青年)のシェリの母親は米国の石油会社に投資して超金持ちになって、同じく高級娼婦出身の男爵夫人(男爵夫人になるのが先だろう)などと優雅に投資の話に夢中になっている。シェリを養っているレアも同様に巨万の富を得ている。 なるほどブルジョワとはそういうものですか、と眼が開かれる思いをした(もちろん、そればかりではないだろうが、そういう道筋もあるという点についてだ)。日でも明治の元勲の奥さ

  • L'eclat des jours(2022-06-26)

    _ 犬王 豊洲で犬王。なんかやたらと周りで評判が良いので観てみるかと思った。時代劇好きだし。 という程度の知識で観に行ったら、とんでもない(良い意味で)作品だった。物語はシンプルなのに、すさまじく重層的なテーマで一度観ただけではもったいないのでもう一度行こうと思っているうちに時間がたってしまった。 現代の都市の一角から物語は始まり、すぐに壇ノ浦に二位の尼と安徳天皇もろとも天叢雲剣が沈んだのを(この作品では天叢雲剣を納めた櫃に尼と天皇をくくりつけたことになっている)手に入れたい足利将軍の意向により壇ノ浦に武士が派遣される背景の説明となる。 壇ノ浦では素潜り少年(友魚)が父母と暮らしている。父親はこのあたりの漁師の統領らしく派遣された武士が談判している。少年は思い当る節があるので父親に合図をし報酬を受けさせる。 漕ぎだした舟から潜った少年は見事櫃を引っ張り出し天叢雲剣を手に入れる。父親が抜くと

  • L'eclat des jours(2021-12-05)

    _ ニルス・リューネ読了 翻訳者がTwitterでいろいろ呟いたりRTしたりしているのがおもしろそうなので買って読み始めると、想像以上に絢爛たる文章で、おやこれは久々に物の文学ではないかと、時たま開いてはちびりちびりと味わっていたのだが、ついに読了してしまった。残念だ。酒は飲まないので想像だが、極上のコニャックをちびりちびりとみたいなのは、こういう感覚なのだろう。 とにかく訳業が素晴らしい。言葉が次々と出て来て世界を言葉で作り出す。 物語はニルス・リューネという19世紀後半を生きたデンマークの何もしない人の誕生(というか父母が家庭を持つところ)から死までを描く。 各章はとびとびに、子供の頃の叔母さんへの思慕のようなもの(死に別れ)、学生になってからの金持ちの未亡人(なんとなくフォンメック夫人とかを想像しながら読んでいた)との馴れ初め、実母とのスイス旅行(母親は老衰死)、戻ってからの未亡人

    murashit
    murashit 2021/12/06
  • 反三国志というアンチ L'eclat des jours(2020-12-21)

    _ 反三国志というアンチ FBで知人が反三国志について書いていたので(最近Kindle版として復刊したのだな)思い出したが、翻訳が出てすぐ買って読んでうんざりして、同じく三国志好きな父親(小学5年か6年のころにおもしろいはないか? と聞いたら吉川英治の三國志を読めといって全10巻を買ってくれたくらいだ)に貸したらなんてつまらんだといって返してきたのだが、存外アマゾンでの評価は高くておもしろい。 とはいえ、四半世紀前にはゴンタの新釈(曹操が主役なのはともかく董卓がマッチョでかっこよかったり陳宮が見るからに文弱だったり孔明が酒色に溺れるのが大好きな軽いのりのやつだったり、劉備はほら吹きのお調子者、関羽は義理人情大事のやくざそのもの、と新釈なのに史実に近くて(さすがに董卓の外見のかっこよさについてはそれはないと思うが、とはいえ人望と実力がなければあそこまで専横を振るえるわけがないのでその意味

    murashit
    murashit 2020/12/22
  • L'eclat des jours(2019-04-24)

    _ 石川淳の狂風記を読了 通勤時にkindleでちまちま読んでいた狂風記を読了。 最初、あまりの言葉遣いの中途半端な古めかしさにびっくりする。これって80年代の小説なんじゃなかったのか? (読了したら書肆データがファイルの最後にあって、1970年に執筆開始、1980年に上梓とあったので、構想を考えると1960年代後半から70年代前半とするとそれなりに辻褄があうことがわかった) 最初に引っかかったのが「かみなり族」で、おいおいそこは暴走族のほうが近しいし、そもそも徒党を組んでいるわけでもないから、特に名詞を使う必要もなかろう(死語だし)と思った。 記憶の中でのかみなり族は、1968年ごろに、キラー通り(当時の呼び名はまだなかったかも)の神宮前2丁目の交差点を過ぎたあたりの陸橋に「かみなり族追放」という垂れ幕がかかっていたくらいだ。もっともエキゾースト音を轟かせて突っ走るのでかみなり族(オート

    murashit
    murashit 2019/04/26
  • L'eclat des jours(2014-07-04)

    _ 1930年代アメリカも世界の終末を見ていた 500円の図書カードをもらったので、屋に行き、最初マンガを買うかと思ったが特に物理的なとして欲しいものはなく、この書店には岩波文庫が充実しているからドイツ文学かロシア文学でも買うかと眺めていたがそれほど充実していなくて何もなく、ふと見ると聞いたことないアメリカ文学があり、価格も540円でちょうど良いし、妙に薄っぺらいし、題名も奇天烈、帯には「≪孤独な娘≫よ、わたしを助けて、わたしを助けて」とでっかく書いてあってこれまたなんだかさっぱりわからないインパクトがあるのでそれを買って、通勤用に読み始めた。 とんでもないだった。 孤独な娘 (岩波文庫)(ナサニエル・ウェスト) 冒頭、主人公の孤独な娘(というのはペンネームだ)は、新聞社の一室で読者の悩み相談の原稿を書くのに苦しんでいる。社名からここはニューヨークだとわかる。 悩み相談といっても、ど

    murashit
    murashit 2014/07/12
  • 取っ掛かりを網羅したUNIX入門書 L'eclat des jours(2014-03-23)

    _ Dart アスキーの鈴木さんからプログラミング言語Dartを頂いた。 また新しい言語か、と思いながらパラパラ見てみると、なんか雰囲気が良いので少しまじめに読んでみた。 JavaScriptJavaとC#の良いとこどりと書いてあるが、特徴は次のところだろう。 ・関数の記述はC#やJavaのラムダ式のように楽ちん。例)(x, y) => x * y ・EclipseベースのIDEが最初から用意されている ・型名の明示が可能(finalのような修飾子もあるし、リストとマップにはジェネリクスも利用できる)なので、型チェックを最初からされるのが好きな開発者でもOK(TODO:varで宣言した変数に限り、JavaScript並の自動型変換がある(便利ではあるけど諸刃の剣なのでそこを宣言で制御できるのなら良いと思った)かどうかは、ぱらぱら読んだだけだとわからなかった) ・クラスベースだが、必ずしも

    murashit
    murashit 2014/03/24
  • L'eclat des jours(2014-01-19)

    _ 入れ物が変われば生活を変えるのは当然 それまでで家の中に入るスタイルで暮らしていた人が、畳のある家へ引っ越したら玄関で脱ぐ生活に変わるのは当然だし、前者が後者を裸足で暮らす野蛮人と呼ぶのは無知だし、後者が前者を水虫小僧と呼ぶのはお門違いだ。 15年前のfjでのやり取りというのを眺めていて、正直いってぐだぐだ言ってないで仕事しろよとも思うのだが、実に奇妙な感覚を得る。 というのは数十年仕事でプログラムを書いていると、いろいろとすさまじい断絶があるのだが、どうもこのへんでおしゃべりしている人たちは随分狭い範囲しか経験していないのだなぁという感想しか出ないからだ。 今となっては誰も知らない言葉のような気がするがBUNCHの1つに入社して、きわめて特異な(でも、なんとなく68000(よりもはるかに歴史はあるのだが)に似ていなくもない)アセンブリでメインフレームのミドルウェア(コンピュータの

  • L'eclat des jours(2014-01-09)

    _ 死が聖へと転化する場としてのWWW 手元に見つからないので捨ててしまったのかも知れないが、20年くらい前に別冊宝島の怖い話のを買って読んで、何が書いてあったかほぼすべて忘れてしまったが(唐突に思い出すこともあるけれど)、唯一時々反芻するものがある。 怖い話の―「心の闇」をフィールドワークした、超ホラー・ノンフィクション! (別冊宝島 (268))(-) おもしろいことに、覚えているものはなくならないものだ。 つまりは、山形浩生の墓としてのWWWだ。 最初にその文章を鮮明に思い出したのは、マサールさんが事故死された時だったが、確かにWWWが墓標として故人の残したものを生者に思い起こさせる場となった。 初期のアジャイルやテストの紹介者としてのマサールさんのWWWは、 それはたとえば、この世界での有名人が逝去した場合などに生じるだろう。 そのものだった。(「この世界」の「この」が生者一般

  • L'eclat des jours(2013-10-04)

    _ ちょっとした総括 具体的な数は2桁の前半(この日記のPVはしょぼいのよ)だけど、これまでここで紹介したで群を抜いてアフィリエイトの結果が良かった(受け取りはギフト券にしているのだけど、ありがたく頂戴しています)のは、テスト駆動JavaScriptとモダンC言語プログラミングの2冊だ。 テスト駆動JavaScript(Christian Johansen) モダンC言語プログラミング 統合開発環境、デザインパターン、エクストリーム・プログラミング、テスト駆動開発、リファクタリング、継続的インテグレーションの活用(花井志生) どちらも良書なので、こちらも気を張って記述しているから相乗効果もあるだろうけど(より良いコンテンツがぶくまを集めるとか)、そうはいっても、僕には実に興味深い結果だ。(メディア的にはアスキーのを取り上げる日記やブログがそれほど多くは無いからというのもあると思う。Te

  • L'eclat des jours(2013-09-22)

    _ toruby#05メモ 酒匂さんのVDM導入。プロジェクト規模は関連メンバーは約80人。全員、VDMで記述した仕様は読めるように教育はした(でも、1週間程度で十分だった)。書く人は数人(もちろん、1週間程度の短期/簡易教育ではだめ)。 VDM 日語インフォメーション akrさんの現在の興味はシステムシンキング。 (これ、因果というかノードを2つにすると弁証法(というか俗流弁証法としての矛盾論)だな) Excel/Wordで作ったドキュメントがある→Officeを使って読む→Officeがあるからドキュメントを作る→(先頭に戻る) という状況に自由ソフトが対抗するには、Excel/Wordで作ったドキュメントがある→Officeを使いたいが金を使いたくない→自由ソフトの代替物を使う→というようにループに介入することができる。 ・持続的イノベーションにより戦力が弱いものが同じ持続的イノベ

  • おそるべきTeam Geek - L'eclat des jours(2013-07-21)

    _ おそるべきTeam Geek 角さんとオライリーからTeam Geekを頂いたので、読んだ。完読した。これはひどい。おもしろいし、おそらくとても役に立つから、みんな、読め。 Team Geekを一言で説明すると『Googleに勤務する中堅エンジニアがOSSのプロジェクトGoogle含む企業で遭遇した経験を元に解説する成功するチーム作り』なのだが、おそらく、その言葉から推測される内容とは全然異なるものが読める。 ここで読める(学べる)のは、(書と同様に虚飾を取っ払った率直な書き方をすれば)どうやって自分が組織の中で成功するかについての技術だ。 中核をなす技術は、HRT(謙虚、尊敬、信頼)であり、それに基づいた行動規範が導かれ、その規範にしたがってどうすれば良いかについてケースとそれに対するアンチパターンや成功事例を示す。謙虚、尊敬、信頼! ってまるで根性、友情、勝利みたいに、正義そ

    murashit
    murashit 2013/07/22
    ウェッ
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