川崎市内に立地する中堅・中小企業の間で会社の将来について、事業承継を考えている経営者が相対的に減る一方で、廃業を検討している経営者が増えた実態が、同市の調べで分かった。事業承継をためらう背景には、後継者難に加えて「将来の経営に関する不安」や「株式や資産に関する相続税・贈与税の負担」といった悩みがあり、これらへの対策が当面の重要課題になりそうだ。 川崎市産業振興財団が企業データを保有する中堅・中小企業を対象に、経営実態について調査し、405社から有効回答を得た。 会社の将来について聞いたところ「誰かに引き継がせたい」との回答が63・8%、「M&A(合併・買収)などで売却」が5・6%と、2019年の前回調査と比べてそれぞれ1・3ポイント、8・5ポイント減少。一方で「廃業を検討」が14・5%と7・9ポイント増え、事業承継より廃業を選ぶ傾向が若干強まった。事業承継をめぐる課題では、複数回答で「将来