熊本豪雨で死んだアサリ(右)と生き残った稚貝。アサリは淡水が海に流れ込む大雨に弱いという=2020年8月、八代市 輸入アサリを熊本県産と偽る大規模な産地偽装が問題となる中、複数の水産関係者が17日までの熊本日日新聞の取材に対し、過去の偽装に関わったと認めた上で、輸入時の状態で流通させる「原袋[げんたん]売り」の過程を経たアサリの多くが、熊本県と無関係に偽装された実態などを明らかにした。 県外の関係者によると、原袋売りでは麻袋やネット、発泡スチロール箱に入った状態で輸入されたアサリが税関を通過し、そのまま流通ルートに乗る。関係者は「多くは熊本を経由せずに、ブローカーが熊本産と偽装して流す」としている。 警察によるブローカーの摘発などがあっても偽装が相次ぐ現状について、関係者は「逮捕も覚悟でやっている。取引によっては数千万円のもうけがあると聞く」と話す一方、「海外産は検査で安全が証明されても消