8-1. 被告による通常訴訟への移行 被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができます。 つまり原告が少額訴訟での審理を求めても、被告の移行申述があれば少額訴訟は通常訴訟手続へ 移行されてしまうわけです(民訴373条2項)。ただし、被告が 最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、またはその期日が終了した後は、移行の申述は できなくなります(民訴373条1項)。なお、被告の、通常の手続へ 移行させる旨の申述は、期日においてする場合を除き、書面で行わなければなりません (民訴規則228条1項)。 少額訴訟では、反訴が禁止され、不服申立ての方法も異議に限られているなど、通常訴訟 とは異なったいくつかの制限があります。そのため、被告に対して少額訴訟での審理を一方的に 強制することはできないため、当事者双方に選択権を与えることとされました。 (しかし、少額訴訟での審理は簡易・迅速