欧州連合のバローゾ欧州委員長(右)らと記者会見に臨む中国の温家宝首相(中央)=30日午前、中国・南京市(共同) 【南京(中国江蘇省)=河崎真澄】中国の温家宝首相は30日、江蘇省南京で欧州連合(EU)との定期首脳会合を行い、欧州委員会のバローゾ委員長やEU議長国、スウェーデンのラインフェルト首相と、人民元問題や地球温暖化対策について論議した。会合後の記者会見で温首相は、「一部の国は中国に対し貿易保護主義で臨む一方、人民元上昇も求めている。これは不公平で中国の発展を妨げている」と元高圧力を牽制(けんせい)した。米国を念頭に置いた発言とみられ、EUと天秤(てんびん)にかける政治的な駆け引きを始めた可能性もある。 巨額の対中貿易赤字に苦しむEU側は会合で、安すぎる人民元相場が不均衡の一因と指摘した。だが温首相は会見で、「安定した人民元相場が中国経済の発展だけでなく世界経済の回復に寄与している」とし