【シンガポール共同】マレーシア初の原発建設計画をめぐり、東京電力など日本企業が福島第1原発事故後、事業化調査への入札を断念する意向を日本・マレーシア両政府に伝達していたことが19日、分かった。複数の外交筋が明らかにした。 事業化調査の内容に基づき原子炉の型式などが決まるため、日本政府関係者は「調査への参入断念で、マレーシアの原子炉建設を日本勢が受注する可能性はほぼなくなった」としている。米国やロシアが参入に意欲を見せている。 日本はアジアへの原発インフラ輸出を成長戦略の主軸と位置付けてきたが、国内外で「反原発」世論が勢いを増す中、後退を迫られた形。日本の協力を受けた原発建設を計画していた東南アジア各国でも、慎重論が強まりそうだ。 両国の政府関係者によると、東電は関連会社による入札を予定していたが「原発事故が沈静化していない段階での入札は、国内外ともに理解を得るのは難しい」と判断。断念の意向