米政府がハワイ州の2空港で予定していた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの着陸訓練計画を取り下げていたことが22日までに分かった。空港周辺の歴史的遺産に与える影響や騒音に関する住民意見などを考慮したため。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備のために実施した環境審査では地元や住民の意見を聞く機会はなく、米国内への配備手続きとの違いが浮き彫りになった。 日米関係筋などによると、米海兵隊は18年までに、ハワイのカネオヘ基地にオスプレイ24機を配備する計画。これに先立ち、米海軍省は10年8月から国家環境政策法などに基づき、環境影響評価(アセスメント)を実施した。 海軍省はアセス草案でモロカイ島のカラウパパ空港、ハワイ島のウポル空港での着陸訓練計画を提示した。住民や他省庁からは、カラウパパ空港周辺の米国立公園局指定の歴史的遺跡に対する影響やウポル空港周辺の騒音被害を懸念する意見が相次いだ。