JR九州が熊本-人吉間(鹿児島線、肥薩線)で4月から運行を始めた蒸気機関車(SL)がけん引する観光列車「SL人吉」。 11月29日までの週末やゴールデンウイーク、夏休みを中心に運転され、全席指定。乗車券以外に800円の座席指定券が必要だが、観光客や鉄道ファンを中心に人気を呼んでいるようだ。 客車を牽引するのは「ハチロク」と呼ばれる名SL「8620形」で、大正11年製。ハチロクは大正から昭和初期にかけて日本国有鉄道の前身に当たる鉄道院が本格的に量産した初の蒸気機関車で、デゴイチ(D51)などと並んでファンに人気が高い。 一方の客車は床や壁に木材を用い、ハチロクが活躍した時代にあわせたクラシカルな雰囲気を演出している。また展望ラウンジはガラス張りで、日本三大急流のひとつ球磨川に沿って走る肥薩線の絶景など、沿線風景が楽しめる。(恵守乾撮影)