世界最高峰エベレスト(8848メートル)に挑んでいた登山家の尾崎隆さん(58)=三重県出身=が12日、標高8400メートル付近で亡くなった。日本山岳ガイド協会の磯野剛太専務理事が13日、明らかにした。 尾崎さんは4月中旬、エベレストのネパール側ベースキャンプ入り。エベレスト登山をテーマにしたテレビ番組の撮影が目的だった。11日深夜、ネパール人の高所ポーター2人と約8千メートルの最終キャンプを出発。だが、頂上直下で体調を崩して下山を始めた。8400メートル付近で動けなくなり、そのまま死亡したと見られる。 尾崎さんは1980年代にエベレスト北壁の新ルートからの登頂や厳冬期のエベレスト登頂に成功したトップクライマー。96年にはミャンマー(ビルマ)の最高峰カカボラジ山(5881メートル)の初登頂に成功。翌年に「第1回植村直己冒険賞」を受賞している。