音楽の分野に、「自動作曲」というものがあるらしい。 何かの数列とか、音楽とはまったく関係がないものをなんとかして楽譜に変換して、それを演奏するという考え方みたいだ。 とても楽しそうなのだが、調べていくと「フラクタル」とか「総音列技法」とかなんだかむずかしい言葉が出てきてたいへんだ。もうちょっとお手軽に自動作曲をためす方法を考えてみた。 (text by 三土たつお) 日本語の文章を楽譜だと思い込む ここでのアイデアは、たとえば日本語の文章だって、その中にひらがなで「ら」とか「し」とか書いてあったら、それを音階の「ラ」と「シ」だと思いこむで、楽譜になるだろう、というもの。 さっきからなにをいっているのか、という感じだと思うので、実例をひとつつくってみた。以下は、夏目漱石の「我輩は猫である」の冒頭(テキストは青空文庫からお借りしました)。 まずはこの文章をふつうに読んでみてください。 恥ずかし