アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンは15日、首都カブールに進攻し大統領府を掌握した。同国のガニ大統領は国外に退避したとみられる。タリバン幹部は勝利宣言し、アフガン政権は事実上瓦解した。2001年の米同時テロをきっかけに旧タリバン政権が崩壊してから約20年、テロとの戦いが振り出しに戻る格好だ。ロイター通信は15日、アフガニスタン政府当局者の話として、同国のガニ大統領が出国したと報じた。ガニ氏
バイデン米政権は13日、2001年の米同時多発テロに端を発した「米史上最長の戦争」の終結に向け、大きくかじを切った。テロ発生から20年となる9月11日までにアフガニスタン駐留米軍を完全に引き揚げる。しかし、期限をあらかじめ定めた「条件無し」での撤収は、アフガン情勢をさらに混沌(こんとん)とさせる可能性もある。 米政府高官が米軍の撤収期限を5月1日から9月11日に延ばすと明らかにする直前の13日、トルコ外務省はアフガン政府とタリバンによる和平協議が4月24日~5月4日に最大都市イスタンブールで開催されると発表した。ブリンケン米国務長官が和平に向けトルコへ開催を要請していたのだ。 だが、思惑通りに進むかどうかは見通せない。20年2月にトランプ前政権と結んだ撤収期限の合意をほごにされた形のタリバンは反発。外国部隊が駐留を続ける間は「アフガンに関する決定を下す、いかなる会議にも参加しない」と、トル
米政府高官は13日、アフガニスタンの駐留米軍(約2500人)を2001年の米同時多発テロから20年となる9月11日までに条件を付けずに完全撤収させると明らかにした。バイデン大統領が14日に正式に表明する。トランプ前政権とアフガンの旧支配勢力タリバンの和平に向けた合意の撤収期限が5月1日に迫っており、バイデン政権の決断が注目されていた。米本土へのテロの脅威が、軍を駐留させずに対応できるレベルと判断し、期限を先延ばししたうえで完全撤収する。 撤収が実現すれば、約20年続く「米国史上最長の戦争」に終止符が打たれることになる。北大西洋条約機構(NATO)主導の約7000人も一緒に撤収する。一方、タリバンは米軍が期限を超えて駐留することに反発。タリバンの報道官は14日、駐留外国部隊が撤収するまで「アフガンに関する決定を行ういかなる会議にも出席しない」とツイッターに投稿した。情勢の不安定化が懸念されて
米紙ワシントン・ポストが2019年12月に「アフガニスタン・ペーパーズ(文書)」という文書を公開した波紋が広がっている。米政府のアフガン復興に関する特別監察官が実施したインタビューの記録を情報公開法によって入手した。 米軍幹部らが実際にはうまくいっていないにもかかわらず、戦況が好転しているかのような偽りの説明を繰り返し、アフガン戦争の泥沼が続いてきた実態を浮き彫りにした。ベトナム戦争の秘密工作などが記されていた報告書がリークされた際、「ペンタゴン・ペーパーズ」と呼ばれたことになぞらえて、アフガン・ペーパーズと名付けられた。文書は一つの報告書としてまとめられたものではなく、米軍や国務省の幹部ら約400人にインタビューした計約2000ページの記録だ。 相次いでいた政府高官の疑問 一端を見てみよう。後に駐北大西洋条約機構(NATO)米大使も務めたルート陸軍中将は、中央軍司令部やホワイトハウスの国
バイデン米大統領は14日、ホワイトハウスで演説し、アフガニスタンの駐留米軍を米同時多発テロ(2001年)から20年の節目となる9月11日までに完全に撤収させると正式に表明した。「撤収に理想的な条件が整うのを期待しながら、駐留の延長や増派を繰り返すことはできない」と述べた。そのうえで「米国史上最長の戦争を終わらせる時だ。米兵が帰還する時だ」と訴えた。 バイデン氏は決断に向け、同盟国やパートナー国などと緊密に協議したことを強調。「軍事的にはアフガンにとどまらないが、外交的・人道的支援は続ける」と説明し、「タリバンとの戦争に戻るのではなく、我々は目の前の課題に集中しなければならない」と理解を求めた。
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