[東京 30日] - 米フェイスブックなどによる新たな仮想通貨(暗号資産)「リブラ(Libra)」の構想に対しては、主要国の中央銀行や監督当局から引続き強い警戒感が示されている。その理由は前回コラムで整理した通りで、そこには一定の合理性はあるが、議論の焦点がリブラ固有の問題にのみ当てられていることには違和感を覚える。 確かに、フェイスブックによる個人情報の取扱いだけでなく、世界で20億人を超えるユーザーによる利用の可能性も含めて、リブラだからこそ議論すべき点があることは否定できない。しかし、リブラ代表者が米議会公聴会で語ったように、仮にリブラ導入が阻止されても、他の主体が同様の仕組みを導入する可能性は残る。