四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止め仮処分を巡り、申し立てた住民側が、広島高裁決定を取り消して運転を認めた18日の同高裁異議審決定について、最高裁への抗告を断念する方針を固めたことが20日、分かった。最高裁で退けられた場合、全国の同種裁判に与える影響を考慮したとみられる。異議審決定が確定する見通しで、四国電は10月末の再稼働に向けた準備を急ぐ構えだ。 弁護団はこの日、関係者とウェブ会議を開き、今後の対応を検討。関係者によると、抗告しない方針を確認したという。 脱原発弁護団全国連絡会(東京)によると、全国で原発の運転可否を巡る高裁レベルの判決や決定は今回を含めて12件あり、いずれも運転差し止めなどを求める住民側の訴えが退けられている。これまでに最高裁の判断を仰いだケースはない。 異議審決定は、四国電が実施した海上音波探査の結果、「原発敷地2キロ以内に活断層はない」とした評価や