日本銀行の岩田規久男前副総裁は19日、NHKのテレビ番組「日曜討論」で、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策について、2%の物価目標達成が見通せない中で早期にYCCの見直しを行うことは「非常に危ない。むしろデフレに逆戻りする」との見方を示した。 政府は14日、4月に任期満了となる黒田東彦総裁(78)の後任に元審議委員で経済学者の植田和男氏(71)を起用する国会同意人事案を衆参両院に提示した。植田氏は昨年7月の日本経済新聞への寄稿で拙速な金融引き締めを避けよと指摘していた。一方、市場関係者の間では、YCCの早期撤廃を予想する声も出ている。 岩田氏はNHK番組で、植田氏がどのような金融政策を行うのか分からないとしながらも、YCCが修正されれば、中長期金利が米金利にさや寄せして上昇し、円高となり、物価と経済に下押し圧力を与える可能性があるとして、「2%の物価目標というのは遠ざか