雨にぬれた石畳の上を進む傘の列。その中に、モーニングを着た上皇さまのお姿があった。 今月9日、昭憲皇太后の命日に際しての明治神宮ご参拝。上皇さまは天皇陛下、皇后さまのご拝礼後、ゆっくりとした足取りで境内を進まれた。公の場に姿を見せられたのは、約5カ月ぶり。続いて参拝した上皇后さまが階段でバランスを崩され、女性護衛官に支えられる場面もあった。 上皇さまは昨年卒寿の90歳を迎えられ、上皇后さまは89歳となられた。健康維持に努められているが、加齢に伴う自然な体力の低下は避けられない。「被災地見舞いや海外訪問を在位中と同じようになさることは、ご負担を考えると難しかっただろう」。ご夫妻を知る関係者はそう明かす。 生じうる懸念を、誰よりも先に予見されていたのは、上皇さまだった。 「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていく」「これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるの