猛暑が続いている。毎日のように東京電力管内では電力需給逼迫注意報が発令され、発電所の故障があれば、大きなニュースとして報じられている。なぜ、電力需給が厳しいのだろうか。 新聞の中には、「電力会社が脱炭素のため火力発電所の休廃止を進めた」との解説を掲げるところもあった。間違いだ。電力会社が火力発電所の休廃止を進めた理由は、電力市場の自由化により利用率の低く採算が悪い発電所の維持ができなくなったからだ。 2016年の電力市場自由化以降、二酸化炭素排出量が多い石炭火力設備は増えている。減っているのは利用率が低い石油火力だ。 また、小池百合子都知事の太陽光発電設備設置義務化政策を支持する立場から、太陽光発電設備を設置すれば、電気料金を節約でき、電力供給も増えるとの解説もあった。間違いだ。今の供給設備減少の背景には、太陽光発電設備の増加により、石油火力発電所の利用率が一段と低迷し、休廃止が進んだこと