6月15日、オーストリアを訪問し、ハイリゲンクロイツ修道院を訪れた際の文在寅大統領(写真:AP/アフロ) 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の東京五輪開幕式への出席をめぐって、日韓両国政府の駆け引きが熾烈を極めている。訪日の前提条件として、日韓首脳会談を掲げつつ、「成果がないなら首脳会談は行わない」という韓国大統領府の立場と、「従来の立場から一歩も退かない」という日本政府の立場とが厳しく対立しているのだ。 「文大統領訪日プラン」、第一報は産経新聞 7月6日、まず日本の「産経新聞」が、「韓国政府が日本側に対し、23日に開会式を迎える東京五輪に合わせて文在寅大統領が訪日する意向を伝えていた」と報じると、すぐさま韓国大統領府は「推測性の記事には立場を出さない」と述べつつも、「何も決まったことはない」と含みを持たせた。ただ、「何も決まったことはない」というコメントは、「協議中だ」との意味と受け止