年頭記者会見で「異次元の少子化対策に挑戦する」と表明した岸田文雄首相=2023年1月4日、三重県伊勢市【時事通信社】 「異次元の少子化対策に挑戦する」。岸田文雄首相の年頭記者会見での発言が反響を呼んでいる。1人の女性が生涯に産む子どもの数の推計を示す合計特殊出生率が、当時の過去最低「1.57」を記録した1989年を契機に、政府はさまざまな少子化対策に取り組んできたが、歯止めはかかっていない。昨年の出生数は、国立社会保障・人口問題研究所の推計より8年前倒しで80万人を切る可能性があり、想定を上回るスピードで少子化が進んでいるのが現状だ。政府の対策に足りなかったものは何だったのか。少子化問題などを研究する山田昌弘中央大教授(家族社会学)は「若い人たちの格差を埋めることが一番重要だ」と指摘する。(時事通信政治部 川上真央) 【政界Web】前回は⇒「増税で福祉無償化」永田町が注目 慶大・井手教授が