パレスチナ自治区ガザを巡るイスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの衝突が始まって7日で1年となる。元外交官で中東情勢に詳しい日本国際問題研究所の中川浩一客員研究員は、中東の広範囲に戦闘が広がっているとして、現状を「ユダヤ対ペルシャの新たな中東戦争」だと指摘する。 ◇ ◇ ◇ ハマスの奇襲でイスラエル人が200人以上人質に取られてから間もなく1年となる。当時は大量の人質奪取がイスラエル建国史上初の出来事だとして、ネタニヤフ政権に退陣を求める声が強まった。その後、ネタニヤフ首相は自らの失態を「建国時以来の第二次独立戦争」、「イスラエルの9・11事件」との表現を使い、「国土を守る戦い」として巧妙に正当化した。また米大統領選挙をにらみ、イスラエルを支持せざるを得ない米国を巻き込むことにも成功した。 今ではイランと、その代理勢力であるハマス(ガザ)、ヒズボラ(レバノン)、フーシ派(イエメン)との「4