人工衛星からの電波で地上の位置を特定する「GPS」。カーナビやスマートフォンに搭載され、いまや暮らしに欠かせないものになっています。しかし、実際にいる場所と地図上の表示がややずれてしまうという経験、皆さんもあると思います。GPSは、誤差が最大で10メートルを超えることがあります。その誤差を、数センチにまで縮めるという日本版のGPS衛星「みちびき」が、6月1日、種子島宇宙センターから打ち上げられました。「みちびき」は、どのような世界をひらくのか、取材しました。(科学文化部・鈴木有記者 鹿児島局・島中俊輔記者 後藤祐輔記者) 世界で広く利用されているアメリカのGPS衛星は、もともと軍事用に開発されたもので、2000年に民間に開放されました。アメリカのGPS衛星は、合わせて31機あり、地球の上空、高度2万キロ付近を回っています。地上側では、31機の衛星のうち、常に4機以上の衛星から電波を受信でき