未来を見ることは誰にもできません。今日は平和でも明日には戦争が起こるかもしれないし、逆に戦争が起きるかもと恐れていたら意外に平和が続いたりします。ですから「きっとこのまま平和が続くだろう」と楽観するのは危険だし、逆に「戦争が起きるに違いない」と悲観して平和維持のための努力を放棄するのも誤りです。 恥ずかしいほど予想を外した人たち 偉大な政治的指導者たちでさえ、時に未来予測を大きく誤っています。 これは二大政党制の礎を築いたイギリス首相ウィリアム・ピットです。 彼は1792年2月、軍事費の削減を思い切って削減する軍縮政策を打ち出しました。その根拠として、このように断言してみせました。 「ヨーロッパの状況からみて、現時点ほど、これから十五年間の平和を合理的に期待できる時期は、この国の歴史上かつてなかった」 しかし、ピットの平和宣言はわずか2ヶ月で破れます。その年の4月、オーストリアが革命フラン
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