前回(3月26日)の記事で書いたことの実質くりかえしになりますが、日本気象学会理事長の学会員向け声明(前回の記事中にリンクをつけました)をめぐって「気象学者が責任を果たしていない」という批判が聞こえるので、筋道をたてた弁解を試みます。(なお「放射能」という用語については3月26日のもうひとつの記事参照。) 個人としての意見です。気象学会を代表するものではありませんが学会員という立場をいくらか意識しています。 本論にはいる前に、気象学会理事長は気象学者を支配しているボスではありません。シミュレーション能力のある気象学者たちの多くが結果を公表しなかったのは、理事長から強制されたからではなく、自発的意思によるものです。 そのうちには、社会にかかわることに消極的だったにすぎない人もいるでしょう。しかし、専門家として、また税金で仕事をしている者として、情報を発信する責任を感じながらも、制御できないパ