原子力安全委員会は4日、福島県浪江町で放射線量の積算値が高まっていることについて、定例の記者会見で「現状レベルの放出が続けば、あと数週間のうちに退避区域となる基準を超える可能性がある」と指摘。その場合、政府に退避区域にすることを助言するとした。 屋内退避区域の基準は、住民が受ける放射線量が1万マイクロシーベルトを超えた場合。文部科学省の調査では、先月23日から今月3日までの放射線量の積算値が、屋内退避の30キロ圏をわずかに超える浪江町の観測点で1万340マイクロシーベルトとなった。この積算値は屋外に24時間いたときの値。住民が受ける放射線量は、この6割として計算され、現状では6千マイクロシーベルト程度となる。 原子力安全委は「現時点では屋内退避地域を変更するものではない」と判断。「放射性物質の放出が止まれば基準に達しないが、原子炉が安定しなければ、あと数週間で超える可能性がある」とした