地方の鉄道利用者が減少を続けている理由の1つに、郊外型ショッピングセンターの相次ぐ出店と、その影響を受けた駅前商店街の衰退があろう。 ショッピングセンターが郊外を目指した理由は理解できる。広大な土地が安価に手に入るからだ。しかもマイカーの普及で、鉄道やバスが走っていなくても、多くの人が行けるようになった。 ショッピングセンター前に新駅 国が対策をしてこなかったわけではなく、1970年代には大店法(大規模小売店舗法)が施行されたが、1990年代に入るとアメリカから規制緩和を要請されたこともあって規制が弱められた。 その後この法律は2000年に、大規模小売店舗立地法に移行したが、規制はむしろ弱められており、郊外への出店がさらに加速した。ただしまもなく改正都市計画法が施行され、郊外への大規模集客施設の出店規制が強化された。 これが関係しているのか、最近は都市部の駅の近くのショッピングセンターが増
ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸計画で「新駅1」の設置予定地付近。奥は国営ひたち海浜公園=ひたちなか市阿字ケ浦町 茨城県ひたちなか市は4日、第三セクター、ひたちなか海浜鉄道湊線の延伸計画の変更が国に認められたと明らかにした。市と同社は工事を2段階に分け、国営ひたち海浜公園の南口付近に先行して新駅を増設。2030年春の開業を目指す。全体事業費は126億円、うち先行区間は59億円。 市は「新駅1」の整備地を当初計画の終点・阿字ケ浦駅寄りから、海浜公園南口付近に変更。延伸区間3・1キロのうち、新駅1までの1・4キロを先行して整備し、開業させる方針を昨年12月に決めた。 阿字ケ浦-新駅1間の事業費は59億円で、25年度以降に着手する。開業時期は着手から5年後を想定。市と同社は3月中に工事施工認可を国に申請する。 新駅1を海浜公園南口の近くにすることで利便性を高め、乗客や公園来場者の拡大につなげたい考え
JR東日本は28日、横浜市と川崎市を通る鶴見線で水素ハイブリッド電車「HYBARI」の走行試験を報道公開した。脱炭素化に向け、軽油が燃料のディーゼル車からの置き換えを想定しており、2030年度の導入を目指す。 この日は鶴見―扇町間を走行。エンジン音が響くディーゼル車と比べ、揺れや振動は少なく感じられた。JR東の担当者は「今の出来栄えは合格点と言ってよい」と力を込める。 JR東、日立製作所、トヨタ自動車が共同開発。水素と酸素の化学反応から生み出された電気を動力源とし、1回の水素補充で約140キロ走行できる。 22年から実証実験を行っており、24年度末に終える予定。ディーゼル車が走る地方路線を中心に採用する方針といい、30年度の導入に向け、走行可能な距離や水素を補充する設備の設置場所などの課題を洗い出す。
2月2日、東京都都市整備局は「都心部・臨海地域地下鉄」構想について、東京都、鉄道・運輸機構、東京臨海高速鉄道が事業計画の検討を進めることで合意した。整備主体は鉄道・運輸機構、営業主体はりんかい線を運営する東京臨海高速鉄道となる。 「都心部・臨海地域地下鉄構想(赤)」と周辺の鉄道路線(地理院地図を加工) 同日、東京都知事は定例会見で、「ベイエリアの鉄道網を充実させて、東京を魅力と活力にあふれた都市としていく上で重要な路線」「地元区と沿線のまちづくりについて連携をするなど、関係者と協力しながら、早期の事業化に取り組んでまいります」と紹介した。総工費は約4,200億~5,100億円。費用便益比は「1」以上、累積資金収支黒字転換年は30年以内とされていた。東京都は2030年までに着工し、2040年開業をめざす。 「都心部・臨海地域地下鉄」は「東京(仮称)」~「有明・東京ビッグサイト(仮称)」間を結
宇都宮のライトライン、東側の成功と西側延伸が必要な理由:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/7 ページ) 栃木県宇都宮市と隣接する芳賀町(はがまち)にまたがるLRT(ライトレールトランジット、軽量軌道交通)、「ライトライン」が好調だ。2023年8月26日に開業して以来、5カ月で約190万人が利用した。これは当初予想の約1.2倍になるという。24年4月1日のダイヤ改正で所要時間短縮、通勤通学時間帯の増便、最混雑時間帯の快速運転を実施する予定だ。さらに宇都宮駅西口以西の延伸計画も動き出す。実際に訪れてみると、ライトラインの走る街として活気がみなぎっているように見えた。宇都宮市の格が上がった気がする。 ライトラインの現在の運行区間は「宇都宮駅東口停留場」と「芳賀・高根沢工業団地停留場」を結ぶ14.6キロメートルだ。市街地などほとんどの区間で道路上に軌道を設置しており、これを専門的には「併用軌道」とい
埼玉西武ライオンズの球場に通じる西武の支線「狭山線」。平時は4両編成が線内を折り返して走っていますが、そのなかでも懐かしい黄色塗装の3ドア車がいます。この電車、実は「別の顔」を持っている異色の電車でもあります。 西武の古参形式に存在する異色列車 プロ野球・埼玉西武ライオンズの本拠地球場がある駅が「西武球場前」駅です。西武池袋線の西所沢駅から延びる支線「狭山線」の終点で、野球開催時には駅の6本の線路がフル活用され、池袋方面などと直通する臨時電車が次々と発着。構内は活況に包まれます。 とはいえ、平時は閑散としており、4両編成の電車がおよそ20分間隔で支線内を往復するのみです。その支線内運用の電車のなかに、“怪物”ともいえる異色の列車が存在します。 西武新101系(画像:写真AC)。 狭山線内で使用されるのは、1979から84年にかけて製造された「新101系」4両編成で、いまや本線からは消えた、
相模鉄道では,2024(令和6)年3月2日(土)から4月14日(日)までの間,「そうにゃんバースデースタンプラリー2024」を開催します. これは,相模鉄道キャラクターそうにゃんのバースデー(3月10日)を記念して実施するものです.東急新横浜線の開業により,さらに便利になった相鉄線に乗車し,自然あふれる相鉄線沿線の魅力を知ってもらうとともに,春のお出かけを楽しむことを目的に開催するものです. ※画像:相模鉄道提供
宇都宮市の佐藤栄一市長は21日の記者会見で、同市と栃木県芳賀町を結ぶ次世代型路面電車(LRT)のダイヤを4月1日に改正し、快速電車の運行を始めると発表した。「利用者の要望に応え、サービスを強化する」と説明し、普通電車の所要時間短縮と増便も併せて実施する。IC乗車券の利用者増加により、実現可能となったという。 市によると、最も混雑する平日の午前6時台後半から7時台までの芳賀町方面行きの下り線で快速を運行。14・6キロの区間を48分で走る普通に比べ、所要は6分短い42分となる。 普通は時短に伴い所要44分。通勤・通学時間帯に合わせ増便する。いずれも平日のみの対応。 LRTは2023年8月に全国初の全線新設で開業した。宇都宮市と芳賀町が整備し、第三セクターが運行する。
ゲーム感覚で歩く! 鉄道廃線跡の意外に楽しい歩き方今や世代・性別を問わず、鉄道を趣味とする人が増えた。「乗り鉄」「撮り鉄」に加え、「もじ鉄」「着鉄」なんていう人もいる。筆者のおすすめは「廃線散歩」。廃止された路線の歴史を調べたり、鉄道の遺構や痕跡がないか探しながら歩いたりと、ゲーム感覚で楽しめる。 一昔前、いや二昔前は男性の、しかもマニアに限られた趣味と思われた鉄道は、今や世代・性別を問わず、趣味とする人がとても増えた。「乗り鉄」「撮り鉄」などの王道的なものに加え、駅の看板の文字が好きな「もじ鉄」、車両の色に合わせて服をコーデする「着鉄(きてつ)」なんていう人たちもいるらしい。 筆者がおすすめしたいのは、廃止された鉄道路線の跡を歩く「廃線散歩」。「なぜ、ここに鉄道が敷かれたのか」「なぜ、廃止になったのか」といった路線や沿線の歴史を調べたり、鉄道の遺構や痕跡がないかを探しながら歩くのだ。ちょ
北陸新幹線は敦賀―新大阪間の延伸による全線開業が計画されているが、実現は不透明なままだ。今後、北陸と東京の交流が拡大する一方で大阪への延伸が実現しなければ、北陸と関西の関係性がさらに希薄になる恐れがある。 敦賀―新大阪間の延伸をめぐっては、政府がかつて与党に対し、「仮に令和13年度に着工できれば、完成は28年度になる」との想定を示したことがある。ただ、政府関係者は「現時点では着工の時期も見通せず、28年度の開業との見通しも立たない」と語る。 北陸新幹線は東京―大阪間を結ぶ路線として昭和48年に整備計画が定められた。東京―敦賀間の開業で全体の約8割が完成するが、残り約140キロの敦賀―新大阪間は詳細なルートも決まっていない。沿線となる予定の自治体では環境への影響を危惧する声もあり、駅やルートを決めるための調査も難航しているのが実態だ。 関西財界は早期の全線開業実現を求める運動を続けている。令
啓吾郎 @kei56 スマホが使えることを前提にする施策はちょっとブレーキをかけた方がいいです。 スマホが使えない人は置いてけぼりなのです。 レガシーシステムと言われてもラジオの方が簡便かつ強力です。 写真は時刻表がQRコードになった駅の看板。 pic.twitter.com/OHTVHUVmMb x.com/sakkurusan/sta… 2024-02-17 21:10:03 咲来さん@ @sakkurusan AMほぼ全廃で、FMに移行。聴ける範囲が狭まるといっても、radikoがあるからいいだろって声あるが。あのな、radikoには「時差」という最大の弱点があるのよ。しかも2分間以上の長い時差。 ということは、もし緊急地震速報がラジオで流れた場合。radikoで聴いてる場合は全く意味をなさないということ。大津波警報も、2分遅れは確実に命にかかわる。 なのでこの問題はそう簡単な話では
朝もやの中、別寒辺牛湿原を疾走する花咲線の釧路駅行き始発列車。線路脇にはワカサギ釣りのテントが並ぶ =北海道厚岸町(桐原正道撮影) 朝日が昇って間もなく、湿原の奥から国鉄時代の車両が雪煙を上げながら走ってきた。日本最東端の鉄道、JR花咲線の始発列車だ。 花咲線は、根室線のうち北海道東部の135キロ(釧路-根室間)の愛称で、この区間を約2時間半で結んでいる。 車窓のハイライトは、厚岸町に広がる別寒辺牛(べかんべうし)湿原だ。氷結した川にワカサギ釣りのカラフルなテントが並び、線路脇をエゾシカが疾走する。キタキツネや絶滅危惧種に指定されているオオワシを目撃することもできた。車窓を眺め続けていても飽きない路線だ。 一方、JR北海道は平成28年に「当社単独では維持することが困難な線区」として花咲線などの名前を挙げた。昨年度は1億5800万円の売り上げに対し、12億9000万円の経費がかかっている。全
幅広い視野の獲得に役立つ書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、10分で読めるダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、SERENDIP編集部が、とくにニュースイッチ読者にお勧めする書籍をご紹介しています。 開業50周年を迎えた「武蔵野線」 「武蔵野線」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。首都圏に住んでいる人なら、沿線に広がる「田舎」っぽい風景、東京競馬場や中山競馬場のアクセスに便利な「ギャンブル路線」、最近は強風でも止まりにくくなった……など、何かしらイメージがあるだろう。が、首都圏外の人にとっては、山手線や中央線は知っていても、武蔵野線は名前も聞いたことのない場合が多いのではないか。 武蔵野線は、山手線より外側を走る、輪が閉じていない「不完全な環状路線」だ。神奈川県・鶴見駅(時計でいえば6時の位置)からスタートし、東京都の西側の府中本町駅や西国分寺駅(9
実現すれば世界初? 特急車両に水素エンジンを載せる? JR東海と組んだベンチャーに聞く:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/9 ページ) JR東海は脱炭素社会への取り組みとして、非電化区間の水素エネルギー化を推進する。第一目標は特急形ハイブリッド車両「HC85系」の水素エネルギー化だ。その手段として「燃料電池」と「水素エンジン」を検討している。 HC85系はディーゼルエンジンで発電してモーターを回転させる。バッテリーも搭載して、減速時に台車側のモーターで発電し、バッテリーに貯める。このバッテリーの電力も加速時に使うから、発電機とバッテリーのハイブリッド方式となる。見かけはディーゼルカーだけれど、実態は「発電機を積んだ電車」だ。このディーゼル発電機を燃料電池に置き換えるか、水素エンジン発電機に変換する。 JR東海は、2023年12月18日に燃料電池による模擬走行試験を公開し、その模様は本連載でも
JR鶴見線、南武線、相模線の3路線の歴史を見ると、いずれも私鉄(地方鉄道)として創業し、草創期は貨物輸送に経営の力点を置き、その後、太平洋戦争中に戦時買収によって国有化されたという共通点がある。鶴見線の国有化は1943年、南武線、相模線は1944年であり、今から80年前のことだ。 鶴見線、南武線、相模線にはもう1つ興味深い共通点がある。それは、貨物輸送上の必要性から、多数の支線がかつて存在したことである。今回は鶴見線、南武線、相模線の支線の廃線跡を歩きながら、一般的にはあまり知られていない各路線の歴史を掘り起こしてみたい。 設立100年の鶴見線 鶴見線の前身となった鶴見臨港鉄道は、今から100年前の1924年7月に設立された。初代社長の浅野総一郎は、浅野財閥(現・太平洋セメントの源流の1つである浅野セメントが中核)を率いた人物だ。大正から昭和のはじめにかけて、浅野は自ら見聞したヨーロッパの
JR四国は2024年2月14日(水)、導入を進める新型ハイブリッド式車両の詳細を公表しました。キハ40系気動車など、老朽化した国鉄時代からの車両を置き換える方針です。 新型車両は、最新のディーゼルエンジンで発電した電力と、蓄電池からの電力によりモーターを駆動して走行するハイブリッド式。低騒音、低燃費、CO2削減に寄与します。また、駅停車時にアイドリングストップを実施し静粛性を向上させるほか、気動車特有のギアチェンジをなくすことで、乗り心地も向上させます。 車体はステンレス製です。外観は、下半分が四国の海や空をイメージしたJR四国のコーポレートカラー「ライトブルー」で、それを縁取るようにゴールドのラインがあしらわれます。側面のストライプは、青い空から海や川面にふりそそぐ光をイメージしており、四国の豊かな自然、澄み切った空気や水を表現しています。 車両編成は2両で1編成です。最高速度は100k
工事を始めたいJR東海と、大井川の水資源問題や南アルプスの環境保全を理由に工事を認めない静岡県。リニア中央新幹線の静岡工区をめぐる問題は情報戦の様相を帯びてきた。きっかけは大井川流域自治体の1つ、島田市の染谷絹代市長のこの一言だ。「県から報告書に関して説明してもらったことはない」――。 県に不満示す大井川流域市町 国の有識者会議が昨年12月に報告書をまとめ、有識者会議の中村太士座長(北海道大学教授)や国土交通省の村田茂樹鉄道局長らが1月21日に静岡県を訪問、静岡市長、および大井川流域10市町の首長らに相次いで説明を行った。 染谷市長は10市町の首長を代表する形で「理解が深まった」と話したが、その一方で県に不満をぶつけた。県は有識者会議にオブザーバー参加して有識者会議の情報を把握しているにもかかわらず、川勝平太知事は定例記者会見でJR東海に対する発言を繰り返すばかりで、当事者である流域市町へ
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