「企業子宝率」という言葉をご存じだろうか。合計特殊出生率の企業版ともいえる指標で、男女問わず従業員1人当たりが在勤中に持てる子供の数を算出した値だ。ダイバーシティ・コンサルタントで東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長の渥美由喜氏が考案した。 渥美氏が企業子宝率を考案した出発点は企業子宝率が「子育ては女性の仕事という意識に一石を投じることができる」という問題意識だった。少子化問題を考える際、多くの場合は合計特殊出生率を参考にする。しかしこれは、「女性1人が生涯に産む子供の数」であり、女性にしか光が当てられていない。一方、企業子宝率は男女双方を算出の対象にする。男性を含めることで、片働き・共働きに関わらず、子育ては男女共に責任を果たすべきだというメッセージが込められている。 企業子宝率で分かることは、その企業が子育てしながら働き続けられる企業か否かだ。すでに福井県や静岡県