フィクサーとは、「(公正ではないやり方で)陰で仲介・調停することで報酬を受け取る黒幕的人物」(『広辞苑』)のことだ。さらに黒幕とは、「陰にあって画策したり指図したりする人」(同)をいう。 日本最大のフィクサーを生業としているのが、国内最大手の広告代理店企業、(株)電通である。黒幕は、陰にあってこその黒幕だ。だが「上手の手から水が漏る」ということか、その所業が表に出てくることがある。 黒幕の高橋氏が、姿を現した時 新型コロナウイルスの感染拡大で東京五輪の「危機」が起こり、“黒幕”だった高橋氏がついに表に出てきた。高橋氏は3月11日、米ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に応じ、新型コロナウイルスの世界拡大を受け、「今夏の東京五輪の開催が難しい場合は、大会を1~2年後に延期することが選択肢になる」という見解を示した。 総理大臣や東京都知事でもない、一介の組織委員会の理事が、東京五輪の延期とい
安倍政権がコロナ不況への緊急経済対策として打ち出した「持続化給付金」。約2兆3000億円の予算がついたこの事業を経産省から委託された一般社団法人が、実体のない“幽霊法人”だったことが「週刊文春」の取材で分かった。社団法人の代表理事が「週刊文春」の取材に対し、「何も活動がない」と認めた。 持続化給付金事業は、昨年より収入が減った中小企業等の法人に最大200万円、フリーランスを含む個人事業者に最大100万円を上限に現金を支給する制度だが、入金が遅れるなどトラブルが相次いでいる。 担当する中小企業庁のホームページによれば、同事業を受注したのは「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、「サービス協議会」)」で、アベノマスクの予算を300億円も上回る769億円で契約している。 登記簿に記載されている所在地は、東京・築地にある9階建てのオフィスビルだ。記者が実際に訪ねてみると、確かにエントランス
中尾孝年(なかお・たかとし) 電通 クリエイティブディレクター 1970年生まれ。京都府出身。広告史に残る話題作、AKB48江口愛実を考案。メディアをまたいだ立体的なコミュニケーションデザインを構築し、新しく斬新な仕組みの広告を発信して、広告業界以外からも注目を集めている。(主な仕事) 江崎グリコ/アイスの実「江口愛実」、POCKY「デビルニノ」「CM二宮」「YMO」、サノヤス・ヒシノ明昌/企業CM「造船番長シリーズ」、アストラゼネカ塩野義製薬/コレステロール値啓発「貼り紙篇」「マルチエンディング篇」など。 でもね、めちゃめちゃ真面目になって、不真面目なことを考えるのが僕らの仕事なんです。だから最終回も「最後くらいは最近の事例などを交えた話にしてください」というリクエストに反して、なるべく面白い話で締めたいと思います。 あっ、面白いというのは、著書にも書いた広義での「面白い」ですからね。単
調査に入ったのは、東京労働局の過重労働撲滅特別対策班(かとく)など。かとくは2015年に発足し、これまでにエービーシー・マートやドン・キホーテなどを調査し、会社のほか役員や執行役員を書類送検したことで知られる。 電通では1991年にも男性若手社員が過労自殺し、最高裁が2000年に会社の責任を認めた。国の判断基準が見直される大きなキッカケになった事件だ。電通はこの時、再発防止に努めると誓っていたが果たせなかった。 形骸化した勤怠管理 遺族代理人の川人博弁護士の集計によれば、高橋まつりさんは月曜午前6時5分~火曜午後2時44分、続けて同午後3時1分~水曜午前0時42分まで働いていたこともあったという。電通では社員が勤務時間をシステムに自ら登録し、上司が承認。ゲートによる入退館情報と齟齬がないかチェックしていた。だが、これらの対策は形骸化していたとみられる。 高橋さんの申告した残業時間は昨年10
はじめまして。電通若者研究部(電通ワカモン)代表の吉田将英と申します。我々のチームは、大人の「全然理解できない!」と、若い人の「だからそうじゃないって……」の間に横たわるズレを、前向きにつないでいくことを目標に、リサーチから実際の施策実行まで統合的に行う電通の若手中心の横断組織です。この連載では、日頃の私達の活動から見えてきた若い人たちの本音や、そこから翻って浮き彫りになってきた、大人や社会側の課題について、生々しくお伝えしていきたいと思います。 初回は、メディアでもよく見る「若者の○○離れ」という言葉について取り上げたいと思います。○○に当てはまるのは、活字、テレビ、映画、アルコール、クルマ、選挙、政治、野球・・・・・・など、実にさまざま。当の若者にこの言葉の感想を聞いてみると、次のような答えが返ってきます。 「タチの悪い定期ポストですよね」「気にもならなくなった」「むしろそういう風にオ
電通は、日本の文化や強みを生かした商品やサービスを海外展開する「クールジャパン」関連事業において、顧客企業のマーケティング活動支援を目的に、2016年4~5月に20カ国・地域(※)で「ジャパンブランド調査2016」を実施した。 ※中国(北京、上海)、香港、韓国、台湾、インド、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア 同調査は電通の全社横断プロジェクト「チーム・クールジャパン」が2011年から対象エリアやサンプル数、設問項目を追加しながら継続的に行っている。親日度(日本に対する好意度)や訪日旅行意向、訪問地域とその理由、日本および日本産品に対する興味・関心やイメージなどに関する詳細データと知見の収集を目的とし、インターネット調査で回答を収集。調査結果は海外展開する企業や国内で訪
電通やナビタイムジャパン(東京・港)など4社は、8月上旬から訪日外国人の行動データを分析して提供するサービスを始める。スマートフォン(スマホ)のアプリから位置情報などを取得し、どの国から来た人が、いつ、どこに滞在しているかや日本でどんな経路で移動しているかといった情報をまとめる。利用企業は対象を絞ってクーポンを配信できるようになる。自治体やメーカーの利用を見込む。ブログウォッチャー(東京・中央
電通とリクルートホールディングスは5月26日、訪日外国人向けマーケティング領域で協業したと発表した。 両社は本合意に先駆け、3つのプロジェクトを推進している。1つは、地域全体の観光マネジメントを担う「DMO(Destination Marketing/Management Organization)」を実現するためのもので、システム環境の構築やコンテンツづくり、決済環境、施策改善のためのPDCAスキーム、地域人材の確保・育成などに取り組む。 2つ目は、リクルートが発行する訪日中国人向け季刊誌「HOT PEPPER 实惠游日」のコンテンツ力強化に向け、両社でアプリ開発と広告枠のセールスを開始する。 3つ目は、リクルートと電通のジョイントベンチャーであるブログウォッチャーが開発した「プロファイルパスポートSDK」を、訪日外国人に人気なアプリに組み込むことで、ユーザーの位置情報、ニーズに基づいた
電通は8月24日、地上波ローカル放送局が保有する動画コンテンツを発信するポータルサイト「ロコチャン」を開始したと発表した。全国11ブロック、200タイトル以上を用意する。 ロコチャンは、「地方創生」をキーワードに、ローカル放送局が持つ動画コンテンツを厳選、集約し、地域の魅力を発信するポータルサイト。「観光」「グルメ」「名産品」などテーマ性を持ったコンテンツを配信する。 PC、スマートフォンから視聴ができ、運営はテレビ局5局(日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)、広告会社4社(電通、博報堂DYMP、ADK、東急エージェンシー)の9社が設立したプレゼントキャストが担う。 日本各地のローカル局が紹介する「見たい」「食べたい」「知りたい」「行きたい」「住みたい」につながる地元の情報に、放送区域外の全国から、アクセスできるようにすることで、興味喚起や誘客、また移住促進や地元物産の
1977年電通入社。クリエイティブとして多くのキャンペーンを手掛け、役員就任、この3月に電通特命顧問を退任するまで、白土謙二さんは経営・事業戦略からブランドコミュニケーション、企業カルチャーの変革まで、数多くの企業やNGO・NPOの仕事に携わってきた。強烈な個性の先輩クリエイターや企業のリーダーに出会い、共に仕事に取り組んできた38年間の電通生活を振り返り、若い電通人に向けたメッセージとして、最後の講演が行われた。自身の成長につながった50人を紹介した講演のダイジェストをお届けする。 今日は「誰が電通人をつくるのか」というテーマで、僕がどういう人たちと出会うことで成長してきたのかをお話しします。教えていただいたことと、そこから学んだことを紹介することが、教えてくれた方々への最大の恩返しになると思うからです。肩書は当時のまま、話させてもらいます。 僕は大学受験の時に日本初の理工系の芸術大学の
「ビリギャルって言葉がお似合いよ、慶應さん」「ハンカチ以来パッとしないわね、早稲田さん」と、挑発しあうチアリーダー。「慶應に負けた優勝など、したくない」 「早稲田から勝ち取る優勝に、意味がある」と、野球部もにらみ合う。そして、応援部、吹奏楽部、さらには両校のキャラクターたちまで…。掲出後、開催の1週間ほど前からネットで一気に広まり、またたくまに世の中の注目を集めた。 実はこのポスター、コピーライター近藤雄介さん(電通)の自主提案によって完成したもの。 近藤さんは、社会人2年目。慶應義塾大学応援指導部リーダー部OBである。2013年には、神宮球場で早慶戦・慶早戦の応援を仕切っていた。 当時、早慶戦・慶早戦の観客は“ハンカチ王子”が活躍した頃に比べ、減りつつあった。「応援は、人を呼ぶところからはじまっている――これは、応援指導部の先輩から教わった言葉です。應援指導部の使命は、観客を応援団にする
関西のことも広告のことも、何も知らなかった。 僕は福岡で生まれ、育った人間です。22歳の春に電通に入社し、大阪支社(現 関西支社)クリエーティブ局配属となったのですが、それまでは関西のことをほとんど何も知りませんでした。関西の地を踏んだのは、父親に連れていってもらった万博、それと中学の修学旅行、その2回だけ。それ以外の関西との接点といえば、毎週土曜の昼にテレビで見ていたよしもと新喜劇、それと阪神タイガースくらいだったか、と。当時、僕にとっての関西とは、テレビの向こう側にある遠い世界だったのであります。 広告のこともほとんど何も知りませんでした。クリエーティブについての知識もなかったし、クリエーティブ局を志望していたわけでもなく。入社後、「あなたはクリエーティブ局配属です」と言われたときにはとても驚いたことを憶えています。縁もゆかりもない関西の地で、何の知識もないクリエーティブの世界へ突入す
電通テック旧本社ビルなど売却で特別利益 電通が12日発表した2014年4-12月期の連結決算は、売上高が前年比4.9%増の1兆7435億9300万円だった。営業利益は同比14.6%減の296億6400万円、四半期純利益は同比23.8%増の256億1900万円となった。 円安による為替差損で、海外企業買収による「のれん代」償却が営業利益を押し下げた。のれん償却前営業利益は前年比1.2%増の671億円となる。一方、純利益の伸長には、子会社・電通テックの旧本社ビル「電通築地ビル」などの不動産売却が影響した。これに伴い2015年3月期通期の最終利益は、同比5.4%増の409億円となる見通し。2014年11月発表から115億円上方修正した。 電通2014年4-12月期・単体の業務区分別売上高。「テレビ」「インタラクティブメディア」「コンテンツサービス」がそれぞれ前年を上回った。「インタラクティブメデ
ネット上で支援を募り、プロジェクトに必要なお金を集める仕組み「クラウドファンディング」。日本でも、コンテンツと支援者を結ぶ新しい購買のかたちとして徐々に浸透しつつある。2013年にリリースした『GREEN FUNDING』は、「モール型」というコンセプトを掲げる、クラウドファンディングポータルサイトだ。ロックバンド「SOUR」の『Life is Music』MV制作プロジェクトの制作資金集めとして利用され話題になったのも記憶に新しい。「世界でも話題になるほどの、質の高いプロジェクトを応援したい」と語る彼が、クラウドファンディングを通して、世の中に何を伝えたいのか。お話を伺う中で見えてきた、同氏のコンテンツづくりに賭ける想いに迫った。 (取材・文:宮崎智之 撮影:菱沼勇夫) 一流クリエイターのすごさを知った電通時代 数あるクラウドファンディングサービスの中でも、『GREEN FUNDING』
『MarkeZine』が主催するマーケティング・イベント『MarkeZine Day』『MarkeZine Academy』『MarkeZine プレミアムセミナー』の 最新情報をはじめ、様々なイベント情報をまとめてご紹介します。 MarkeZine Day
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