国道6号線を猛スピードで北上する車のナンバープレートは、実に多彩だった。青森、秋田、岐阜、名古屋、北九州…。地元の「いわき」ナンバーの車が最も多いことは確かだが、他のナンバーの車両もそれと同じくらい行き過ぎる。 ほとんどの車に乗っているのは、紺やグレーなどの作業着に身を包んだ屈強な男性だ。フロントガラスなど正面に、「除染工事車両」と掲げた車両も多い。普通自動車やトラックに交じって、何十人も乗せて現場に向かう大型バスもある。 ここ、福島県双葉郡楢葉町は福島第一原子力発電所から半径20キロメートル圏内に町の大部分が含まれ、原発事故の直後に避難を指示する「警戒区域」に指定された。2012年8月の区域見直しで「避難指示解除準備区域」に再編され、日中の出入りは自由になったが、宿泊は許されておらず、営業する商店などはほとんどない。 8月26日、そこに避難指示の対象区域で初めてとなるコンビニエンスストア
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