日本を代表するカルチャーの1つ、“マンガ”。今や世界中で日本のマンガ作品が親しまれています。そのマンガを海外の読者に届けるために、必要なのが翻訳の仕事です。 作品のおもしろさを忠実に伝えるために、どのように工夫しているのか。人気マンガ『葬送のフリーレン』英語版の翻訳に携わる、アメリカVIZ Media社・編集担当のマイク・モンテサさん(カリフォルニア在住)と英語翻訳担当のミサさん(オランダ在住)に取材しました。 『週刊少年サンデー』(小学館)で連載されている『葬送のフリーレン』。2021年に、書店員を中心とした各界のマンガ好きが“今一番薦めたいマンガ”を選ぶ『マンガ大賞』に輝きました。 物語は、勇者一行によって魔王が倒された、“その後”の世界を舞台にした後日譚ファンタジー。勇者と共に魔王を打倒した1000年以上生きる魔法使い・フリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれます。 日本語
日本翻訳者協会(JAT)は、官民の「AIを用いた漫画の大量翻訳と海外輸出の取り組み」に対し、深刻な懸念を表明いたします。 第一に、現時点でのAIによる翻訳は、作品のニュアンスや文化的背景、登場人物の特徴を十分に反映できる品質には達していません。それにもかかわらず、大量の作品を短期間で(公式発表によると5年で5万点、1点あたり最短2日で)機械的に翻訳することは、作品の価値を大きく損なう恐れがあります。 第二に、AIへの過度な依存は、近い将来、漫画翻訳を長年支えてきた方々の雇用を奪うだけでなく、コスト削減の名目で人材を安価に使い捨てることにもつながりかねません。専門家の技能と経験が軽視される事態を深く憂慮しています。 第三に、拙速な翻訳によって質の低い翻訳版が流通すれば、海賊版の蔓延を助長しかねません。低品質な翻訳は正規版への信頼を損ない、かえって多くの海賊版を生み出す恐れがあります。 漫画は
私の研究論文及び講義において、第三者が作成した図表を当該作成者の許諾なく利用した件について、立教大学より2023年10月25日付で立教大学研究活動における不正行為への対応に関する規程(以下、立教大学不正行為対応規程)第2条第4号が定める「盗用」(他の研究者のアイディア、試料、分析・解析方法、研究結果、論文又は用語の使用に関し、当該研究者の承諾又は適切な表示を行うことなく流用する行為)に、該当するとの通知を受けました。 本件における私の行為は研究者としての公正な慣行を欠く利用であり、研究者としての倫理に反する行為であったと考え、深く反省するとともに立教大学の判断を厳粛に受け止めております。また、私の利用行為によりご迷惑をおかけした当該図表の作成者様、各種論文の出版社様及びその他の関係者様には深くお詫び申し上げます。 本件における私の無断利用があった論文は下記の論文です。こちらの<論文>につい
Af @Sz73B 今年、川端康成の著作権保護期間が切れたってんで、中国で空前の川端康成ブームが始まってて、大量の小説の翻訳が中国に出回ってるようだが、言論統制が厳しさを増して息苦しくなってる中国社会で、完全に異界としての日本を描いた川端の作品に逃げ場を見出してるのではと評されてて、大変やなと。 2023-09-14 14:20:30 Af @Sz73B 表現規制も厳しくなってるので小説のような創作すら安全ではなくて、危険を犯したくない学生は文学を志しても翻訳の方向に向かう者も少なくないとのことで、というわけで優れた翻訳者が中国に大量に生まれてる面もあるとか。同じ理由で理系を目指す学生が多いとも前に聞いたが、そっちもあるのか。 2023-09-14 14:23:18
ご縁があって英語の本を先日翻訳一部翻訳しました。どんな本かはこの記事にはあまり関係ないので気になる方はこの記事をご覧ください。本記事の目的は、この作業の苦労したこと、工夫したことを紹介して、これから英文を和訳する必要が出てくる人に何らかの参考にしてもらうことです。 翻訳した本は土地勘がある分野の本で、かつ、私は専門書なら日本語とそれほど変わらない速度で読めるので「まあなんとかなるだろ」くらいの感覚で引き受けたのですが、そんなことはまったくなかったです。ここでは、とくに大事だと思った2つのことを紹介します。 1つ目は専門用語の日本語化です。ほとんどの専門用語は英語として理解できたのですが、それを日本語の文書内に書くときには適切な表現を選ぶ必要があって、それがかなり大変でした。人によってやりかたはたくさんあると思いますが、私は次のような方針で邦訳しました。 広く使われている日本語訳があればそれ
「だってばよ」は訳さない。『NARUTO-ナルト-』の編集者と翻訳者が語る、漫画に載らない“葛藤と挑戦”の物語 日本国内はもちろん、北米でも大きな人気を集め、海外市場における日本製マンガの躍進を支えた『NARUTO-ナルト-』。 そんな本作では、ナルトの「だってばよ」やサクラの「しゃーんなろー」をはじめとする個性的な言葉遣いや、「螺旋丸」といった漢字を組み合わせた技名など、日本語ならではの表現が目立ちます。 果たしてこれらは海外版で、どのように翻訳されているのでしょうか。 今回は海外版『NARUTO-ナルト-』の翻訳出版を担当したアメリカの出版社・VIZ Media(ビズメディア)のAlexis Kirschさんとフリーの翻訳者の森本マリさんにご登場いただき、日本語表現や日本の文化を翻訳する際の工夫、そして海外版刊行へ至るまでのプロセスを深掘りしました。 ・Alexis Kirsch 20
インフォームド・コンセントは患者がするもの。医療者がするものではありません インフォームド・コンセント、最近は略してICと呼ばれることが多くなっています。この言葉は1980年ごろアメリカから日本に伝わってきたと記憶しています。 医師の出す方針が全てであったパターナリズム(父権主義)への反省を踏まえ、患者側からの意思を尊重する考え方として医療現場に入ってきました。 英語の語義は、あくまでもコンセント(同意)が主体です(不同意という同意も含む)。インフォームドは「十分な情報を得た上での」という意味の形容詞です。そのコンセント(同意)を得た上でないと、医療者とくに医師は診療方針にゴーサインが出せないという考え方です。 したがってインフォームド・コンセント(IC)は患者がするものであって、医療者がするものではありません。 ところが、日本にICという言葉が導入されてまもなく、ICは医療者がするものと
【ネタバレあり】量子物理学者に「映画『TENET テネット』がどうすさまじいのか」を教えてもらった2020.09.29 20:0072,408 山田ちとら クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET テネット』、もう観ました? 観たけど複雑すぎてよくわからなかったのは筆者だけではなかったはず。 そこで、作中に何度も登場した「エントロピー」という言葉について調べてから再度観に行ったんですが、それでもまだまだわからなかったよ…!! ならばプロに解説していただくしか理解への道は拓けない。というわけで、『TENET テネット』の科学監修を担当された東京工業大学理学院物理学系助教の山崎詩郎先生にお話を伺ってきました。 山崎詩郎(やまざき・しろう) Photo: かみやまたくみ東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。量子物性の研究で日本物理学会第10回若手奨励賞を受賞。『
ムグラシ @fkgwfkgw もののけ姫を英語にする時に難しかった日本特有の言葉や表現やコンセプトについて質問されたニール・ゲイマンの回答 「西洋の観客にとって最も理解しがたかったのは、この映画が『アシタカが祟りの元凶を探しに村を去り、勝利を得て村に帰ってくる』という展開ではなく、 2020-12-27 15:24:23 ムグラシ @fkgwfkgw 『彼がエミシの人びとにとっては”死んで”いて、村から永久に去らなければならない』という展開だった事です。西洋の伝統的なストーリーではないという事を観客に理解してもらうために、アシタカの断髪シーンの意味をはっきりと表現しました」 2020-12-27 15:24:59 ムグラシ @fkgwfkgw オリジナルでは「掟に従い見送らぬ 健やかにあれ」だったところが、英語吹き替え版では”Our laws forbid us from watching
科学技術英語関係の仕事に長年携わり、『理系のための英語論文執筆ガイド』『間違いだらけの英語科学論文』などの著書がある原田豊太郎さん。これらの本を執筆してきた理由は、「英和/和英辞典を補完する」ことだったといいます。 多くの辞書を買い集め、使い込んではみたものの、思うような訳語や用法にたどり着けない。ならば、無数に収集してきた用例を徹底的に整理しなおして、自分でつくるしかない! そう考えたというのです。 そんな原田さんに、誰もが知っているはずなのに実は理解していない人の多い英単語「allow」について解説していただきました。 たとえば次の例文を、あなたならどう訳しますか? Newton did not allow for the increased density of the Earth's interior. 「許す」だけでは使いこなせない allow 理系の世界では、従来不可能であった
2018年11月12日、天野健太郎さんが急逝されました。このインタビューのときに、「やっと翻訳本仕事が黒字になった」と笑っておられたので、今後はこの勢いで大暴れして、楽しい作品を紹介してくれるものだとばかり思っていました。残念でしかたがありません。インタビューのとき、態度はぶっきらぼうだけど、台湾、とくに日本人の手垢のついていない台湾に対する大変な熱意を感じて、本当に楽しかったのを覚えています。御本人が一番、残念なのではないでしょうか。悲しいです。心よりご冥福をお祈りします。 中華圏の事情を日本に伝えている人の中で、わたしがずっと気になっていたのが翻訳家、天野健太郎さんだった。確か、彼が翻訳した台湾の作家龍應台の作品『台湾海峡一九四九』が出た直後だったと思うが、当時北京で暮らしていたわたしはTwitterで天野さんと言葉を交わすようになり、ときどき新刊が出た後などにメッセージをやりとりして
Motoyuki Shibata is always ready to listen to writers’ voices Motoyuki Shibata still clearly remembers his first encounter with literature in English. He was 12 years old and his English textbook included a modified version of Lafcadio Hearn’s short story, “Mujina.” To this day, Shibata remembers the first sentence: “Kinokunizaka was a long slope in Tokyo.” “Although I couldn’t articulate it at th
PEN America, the Center for the Humanities at CUNY Graduate Center, and the Cullman Center for Scholars and Writers at the New York Public Library presented Lightning in a Bottle: A Case Study of Publishing Literary Translation livestreamed on the global, commons-based, peer-produced HowlRound TV network at howlround.tv on Tuesday 4 August 2020 at 10:30 a.m. PDT (San Francisco, UTC -7) / 12:30 p.m
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く