セル画の復活に取り組んだ画材店 かつてアニメ制作の主力だったセル画は、2000年前後からデジタル化が進むと急速に失われていった。そんなセル画を令和の時代に復活させた人がいる。六方画材店の店主、高橋俊成さんである。高橋さんは「当初は反響がどれほどあるかわからなかった」と話すが、現在では海外からも問い合わせが相次ぐ事態になっているという。 全国的に減少の一途を辿りつつある画材店の挑戦的な取り組みとして注目に値するものだが、高橋さんはいったいなぜ、デジタル全盛の時代に、アナログの極みであるセル画を復活させようと試みたのか。そして、海外からも反響がある要因とは。令和の時代のセル画事情について、高橋さんに話を聞いた。 製法も素材もほぼ残っていなかった ――高橋さんはもともとアニメ業界にいらっしゃった方なのでしょうか。 高橋:いえ、私は長らくビデオゲームの制作に関わっていて、アニメをやっていたわけでは