不死の島へ (創元海外SF叢書) 作者:クリストファー・プリースト東京創元社Amazon「夢の文学館」叢書で読んだ『魔法』の後書きで知って以来、20年以上の時を経て翻訳されたプリーストの重要作品がようやく読めて感慨深い。*1 本書は著者がSFのみならず現代文学界にも知られるようになったSFアイデアとメタフィクションや語りの技法を組み合わせた作風の嚆矢となる長篇だ。長短諸作が属する「夢幻諸島」ものの最初の長篇で、「わたし」がまさにそれを創造する瞬間が描かれている。 夢と現実、虚構と現実の二つの世界の絡み合いや信頼できない語り手といった技法が大きく扱われ出したのが今作かららしく、『夢幻諸島から』『隣接界』といった夢幻諸島ものの原点で、『魔法』や『奇術師』『双生児』などといったSFと現代文学の融合的作風の始まりでもある重要作だ。一読して全容を把握できた気はしないけれども、「夢幻諸島」はフィクショ

