電気の供給なしに電気分解反応(電解反応)を起こして高分子化合物を合成する手法を開発した、と東京工業大学の研究グループが発表した。電解質を含む溶液(電解液)を高圧で流すと生じるエネルギーを利用するのが特徴で、宇宙や深海など電力がない環境での化合物合成などに活用できるという。化学工業生産の基本となる化学反応の新たな手法として期待される。 さまざまな化学反応には、物質同士が電子をやり取りすることで進行するものが多いが、工業利用には有害で危険な試薬を使う必要があり、廃棄物をなるべく減らしたいという課題もあった。また、試薬不要の化学反応である電解反応も電気エネルギーが必要で、棒状や板状の電極に給電するための煩雑な電気装置や配線が不可欠だった。 東京工業大学物質理工学院応用化学系の稲木信介教授と大学院生の岩井優大さんらの研究グループは、これらの課題を解決できる新たな電解反応の開発に着手。電解液を微小な
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