次に円の実質実効レートが下落してきたことの経済への影響に目を転じると、プラス面とマイナス面のそれぞれを挙げることが出来る。 1|プラス面 プラス面としては、まず輸出への好影響が挙げられる。実質実効レートは、「自国の財・サービス価格の海外の財・サービス価格に対する相対価格(割安・割高度)」を示すことから、同レートの下落(円安)によって国内での生産コストが相対的に割安になっている。 これを受けて輸出財の価格引き下げを行った場合には、「輸出数量の増加」が見込まれる。一方、価格引き下げを行わない場合には円建て輸出売上が増加し、「輸出の採算が改善」することになる。 また、日本の大手上場企業には輸出企業が多いため、円安による収益改善を織り込み、株価が上昇するという副次的な効果も見込まれる。株価が上昇すれば、株を多く保有する富裕層を中心に消費における「一定の資産効果」も発生する。 さらに、円安になること
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