<中日5-0横浜>◇19日◇ナゴヤドーム 最後の瞬間は記録のことなど忘れていた。ベンチから飛び出してきた2年目の中日岩田慎司投手(23)は、初勝利におじぎとハイタッチを繰り返した。「完封? まったく意識していなかった。僕が止めるなと思った。特にプレッシャーはなかった」。プロ3試合目、初先発で7回2/3を投げ、横浜打線を3安打無失点に抑える好投。先発陣の駒不足で巡ってきたチャンスで、プロ野球タイ記録となるチームの4試合連続完封勝ちを演出した。 140キロ台前半の直球とカーブやフォークなどの多彩な変化球を低めに集め、7回1死までノーヒット投球。カスティーヨに右前打を浴びて快挙は消滅したが「いつか打たれると思っていた。ヒットなら大丈夫だと思っていた。打たれ慣れているんで」と自嘲(じちょう)気味に笑った。 悔しさを糧にした。08年ドラフト5位で中日に入団。プロ1年目の昨年は直球の最速が130キロ台