埼玉県深谷市の皿沼西遺跡の竪穴式住居から、平安時代の弘仁9年(818年)に起きた「弘仁の大地震」によるものとみられる液状化現象の跡が見つかった。 発掘調査を行う県埋蔵文化財調査事業団によると、この地震による被災の痕跡が残る竪穴住居の発見は初めて。住居や用水路が改修された形跡も確認された。国による復興支援が行われたと記録する文献もあり、関連が注目される。 皿沼西遺跡は、古墳時代中期から奈良、平安時代にかけて発展した大規模な集落跡で、昨年10月から約7000平方メートルを範囲として調査が行われている。 事業団によると、幅約10センチのひび状の砂層が数十本見つかったのは昨年12月。地震で緩んだ地盤中の砂と水が地上に噴き出す「噴砂」と呼ばれる現象で、竪穴住居跡でも確認された。周辺で出土した土器の特徴などから、弘仁の大地震によるものと特定した。住居や用水路を改修して住み続けた跡も見つかり、地震後に集