『歴史評論』2024年2月号(第886)/ Historical Journal(REKISHI HYŌRON) February 2024 vol.885 特集/律令官人制研究の新展開 “Recent Developments in the Studies of Ritsuryo Bureaucracy” 定価 1,045円 いわゆる律令国家は天皇を頂点とし、大臣以下の貴族や官人がそれぞれの官司でその職務を全うすることで支えられていました。これを律令官人制と呼びます。 律令官人制の研究には、官人の勤務評定を構造的に解明した野村忠夫氏の先駆的な業績がありますが、そもそも官人とは中央官司所属の人々のみならず、女官や地方官衙の末端の人々に至るまで、多岐にわたるものです。今日的な意味での官僚より広い階層と考えられる官人層については、出土木簡からも豊富な知見を得ることができ、近年地方社会を多角的