草津市教委は9日、同市西矢倉2丁目の中畑遺跡で、平安時代(10世紀)のものとみられる銅印が出土したと発表した。銅印はこれまで県内で6点見つかっているが、草津市内での出土は初めて。集落にかかわりがある氏族の私印とみられ、矢倉から追分地域に広がる古代の集落の様子を知るうえで貴重な資料になるという。 中畑遺跡は市の東南部にある古墳時代(5世紀末)〜鎌倉時代(13世紀)の集落跡。宅地開発に伴い今年5月から6千平方メートルを対象に調査していた。 見つかった銅印は縦3.4センチ、横3.3センチの方形で、高さ3.9センチ、重さ44グラム。深さ1メートルほどの穴から見つかった。印台の形状などから平安時代のものと推定。印面には漢字1文字が刻まれており、「永」の文字の可能性が高いという。持ち主の氏族の姓名から1字を取ったとみられる。 市教委文化財保護課の谷口智樹課長は「周辺で役所だったとみられる大規模な遺構が