日中両政府は20日、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡って、中国政府が全面停止している日本産水産物の輸入を再開することで合意した。「歩み寄り」の背景にあったものとは。 中国の習近平指導部は処理水を「核汚染水」と呼び放出に激しく反発してきた。今回、「段階的な輸入再開」との表現ながら、曲がりなりにも日本政府と合意に達したことは大きな方針転換と言える。 国内世論の関心は高く、発表直後にSNS(ネット交流サービス)「微博(ウェイボー)」の検索ランキングの首位になった。「条件を満たせば正常に貿易することは正しいことだ」「何が合意だ。断固として抵抗する」など賛否の反応が入り交じっていた。 中国外務省の報道官は20日の記者会見で「身勝手な海洋放出に断固反対する姿勢に変わりはない」と強調し、従来の主張との整合性を取ろうと腐心していた。 中国側が発表した合意文書では「核汚染水」の呼称をやめておらず、