【ニューヨーク=松尾理也】北朝鮮がウラン濃縮施設を公開した問題で、国連安保理が北朝鮮を名指しで非難する「報道機関向け声明」の発出を検討したものの、中国の反対で見送られていたことが2日、わかった。報道声明は、議長声明よりさらに弱い形式とされるが、それでも合意に至らなかったことは、対北朝鮮政策でかたくなな姿勢を強める中国の実情を改めて示したものといえそうだ。 複数の国連外交筋によると、声明の草案をまとめたのは11月の安保理議長国だった英国。草案は先月末に開かれた北朝鮮の核問題に関する定例会合で、各理事国に提示された。 草案の内容は(1)北朝鮮によるウラン濃縮施設、および実験用軽水炉建設の双方を非難する(2)これらの行動はいずれも安保理決議違反であることを強調する(3)北朝鮮に決議の即時履行を求める(4)安保理は対応について議論を継続する−の4点。安保理の対応としてはもっとも弱い報道声明という形