【イスタンブール=久保健一】イランの核施設を標的とした「スタックスネット」と呼ばれるコンピューターウイルスが、イラン核開発計画の中核である中部ナタンツのウラン濃縮施設に深刻な影響を与えた可能性が強まっている。 イランの核開発が遅れることで、イスタンブールで21日から始まった核協議でも欧米は有利な立場から交渉に臨める。 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ウイルスは米国とイスラエルが共同で開発した。ウイルスは、遠心分離器を制御するコンピューターソフトを誤作動させ、機器を異常に高速回転させて破壊する。一方で、正常な動作を示す偽装データを送るため、異常が発覚せず、緊急停止などの防護措置を取れない。