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ブックマーク / ghop.exblog.jp (9)

  • とある昆虫研究者のメモ : 絶滅海棲爬虫類の性決定様式

    とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。Genotypic sex determination enabled adaptive radiations of extinct marine reptiles. Organ CL, Janes DE, Meade A, Pagel M. Nature. 2009 Sep 17;461(7262):389-92. 有羊膜類(爬虫類、鳥類、哺乳類)の卵は水中では発生できない。そのため、このグループの水棲種は陸上に上がって産卵するか、胚発生を胎内で完了させるかのいずれの繁殖様式を有する。 また、このグループでは二つの性決定様式が混在している。一つは環境温度によって性が決定されるタイプで、もう一つは遺伝的に性が決定されるタイプである。 上記論文の著者達はまず、現生の94種の有羊膜類のデータに

  • とある昆虫研究者のメモ : 蜂球:二酸化炭素による死

    Heat and carbon dioxide generated by honeybees jointly act to kill hornets. Sugahara M, Sakamoto F. Naturwissenschaften. 2009 Jun 24. [Epub ahead of print] PMID: 19551367 [PubMed - as supplied by publisher] ニホンミツバチはコロニーを襲撃するオオスズメバチを取り囲み、殺す。この蜂球といわれる包囲行動はテレビなどでもたまに紹介されるのでご存知の方も多いと思う。取り囲まれたスズメバチの死因は熱によるものであることを推察する報告が以前になされていた。とミツバチの致死温度はスズメバチよりもわずかに高く、その差を利用してスズメバチを殺すと考えられている。 実際にミツバチがスズメバチを囲んだ際には1

  • とある昆虫研究者のメモ : アリ:生命のシグナル

    とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。Chemical signals associated with life inhibit necrophoresis in Argentine ants. Choe DH, Millar JG, Rust MK. Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 May 4. [Epub ahead of print] アリやミツバチは死んだ同胞を捨てる。アリがどのようにして死んだ同胞を見分けるのかという事に関してはこれまでに脂肪酸組成の変化が知られていた。しかしながら、アリは脂肪酸組成の変化が見られない死後1時間以内の新鮮な死体も見分けることが出来るので他の成分の関与が示唆されていた。 上記論文の著者達はアルゼンチンアリを材料にしてアリがどのようにして死体を見分けているのか

  • とある昆虫研究者のメモ : ハイイロショウネズミキツネザル:野外での冬眠

    Optional strategies for reduced metabolism in gray mouse lemurs. Schmid J, Ganzhorn JU. Naturwissenschaften. 2009 Mar 10. [Epub ahead of print] 哺乳類の中には冬季に体温を低下させ、冬眠状態で冬越しするものが知られている。 しかし、我々人間を含むサル目では唯一ハイイロショウネズミキツネザルのみが体温低下を伴う冬眠をする種として知られている。 しかし、ハイイロショウネズミキツネザルの冬眠は実験室内のデータ及び、野外での再捕獲調査に基づくものであり、野外で実際に冬眠しているという証拠は得られていなかった。 上記論文では体内に体温をモニターするデータロガーを二個体に埋め込み、実際に一個体では冬季の気温と同レベルの11℃程度まで体温が低下することを示している

  • とある昆虫研究者のメモ : 昆虫の細胞が放射線に強い理由

    とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。Multiple factors conferring high radioresistance in insect Sf9 cells. Cheng IC, Lee HJ, Wang TC. Mutagenesis. 2009 Mar 5. [Epub ahead of print] 以前のエントリ「ネムリユスリカ:驚異の放射線耐性」ではネムリユスリカの驚異的な放射線耐性について紹介した。 ネムリユスリカの放射線耐性は昆虫の中でも驚異的なものだが、そもそも昆虫自体が哺乳類と比べると放射線に強いことは以前から良く知られた事実である。 しかし、昆虫が哺乳類よりも放射線に強い理由についてはほとんど判っていない。個体を用いた実験では両者の体の造りが余りに異なっていることが比較を難しくしている。も

  • とある昆虫研究者のメモ : 攻撃型擬態:セミを真似るキリギリス

    とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。ScienceのEditor's choiceの欄で知った論文。 Versatile aggressive mimicry of cicadas by an Australian predatory katydid. Marshall DC, Hill KB. PLoS ONE. 2009;4(1):e4185. Epub 2009 Jan 14. 擬態の一種に攻撃的擬態というのがある。 ナゲナワグモは雄の蛾を誘引するフェロモンを分泌して雄の蛾を呼び寄せるし、成虫が肉性のホタルの中には餌となる種の発光信号を真似しておびき寄せるものがいる。 上記論文ではオーストラリア産キリギリスの1種Chlorobalius leucoviridis が、雄のセミの求愛歌を受け入れるときに雌のセミが出す

  • とある昆虫研究者のメモ : 昆虫:大きさを制限するもの

    とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。Kaiser A, Klok CJ, Socha JJ, Lee WK, Quinlan MC, Harrison JF. Increase in tracheal investment with beetle size supports hypothesis of oxygen limitation on insect gigantism. Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 Jul 31; [Epub ahead of print] PMID: 17666530 [PubMed - as supplied by publisher]  古生代末期。それは虫を愛でる人の中でもごく少数の人々にとっては夢の時代。巨大シダ植物の間を、鷹ほどもあるメガネウラが空を舞い、

  • とある昆虫研究者のメモ : クマムシの論文読みました

    とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。先日紹介したクマムシの論文を読んだので改めて紹介。 Tardigrades survive exposure to space in low Earth orbit Current Biology, Vol 18, R729-R731, 09 September 2008 二種類の乾燥した状態のクマムシを載せたカプセルは10日間低軌道を周回した後に地球へ帰還した。宇宙への暴露は容器に入れて行われたが、容器には「ventilation hole(笑)」が空いていて宇宙へと繋がっている。また、クマムシは紫外線を除去するフィルター(極短波長の紫外線は通さないものと、通すもの)によって守られるか、あるいは光そのものを遮断した状態で暴露された。 その結果、驚くべきことに、低軌道の真空そのものはその後

  • とある昆虫研究者のメモ : 虫屋は注意

    とある昆虫研究者のメモと日記。主に面白いと思った論文の紹介をしています。リンクフリー。コメント大歓迎。友人Tよりメールをもらった。最近、ナイフを所持していて警察に連行されたらしい。 私も草を得るのにカッターナイフを用いていたことがあるから他人事ではない。以下、許可を得て転載。 ---------------------------------------------------------------------------------------------- 7月凶日 20時45分頃 北千住駅改札構内にて 警官A「どちらにお住まいですか」 T「○○区」 警官A「最近秋葉原事件などありまして、刃物等はお持ちでないですか」 T「(かばんの外ポケットを指差し)ここにハサミがある」 警官A「ハサミですね。かばんを開けていただいてかまいませんか。(中を覗き込みながら)これ以外にナイフ類はありま

    t298ra
    t298ra 2008/07/26
    鎌を持ち歩いているほうが危険な気がするんだが。
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