日本で病院を経営するのは難しい。何しろ、日本全国にある病院のうち、約8割が赤字経営を余儀なくされているというのだ(「平成26年病院運営実態分析調査の概要」)。しかも赤字病院の割合は2013年から2014年の1年間で7.7ポイントも増加した。この国で病院を経営するのは極めて困難になりつつあると言っていい。 高齢化で増え続ける医療費を抑制しなければならないとはいえ、医療制度を根本的に見直さなければ、医療崩壊につながりかねない。日本の医療行政は間違いなく大きな曲がり角に差しかかっている。 しかし、実は個別のケースを見ていくと、健全な経営を続け、高齢化が進む中でも着実に事業とサービスを拡大している病院もある。その1つの例が福島県にある、ひらた中央病院(医療法人誠励会、福島県ひらた村)である。 全国でも最も過疎化が深刻な地域の1つであり、かつ、東日本大震災、原発事故という未曽有の被害を受けた。まさに