イタリアはEUの大国中、唯一中国の「一帯一路」の正式の署名国となり、中国からの投資を積極的に受け入れるなど、中国との関係を急速に深めている。問題はそれがイタリアのEU離れをもたらしていることである。 これまでイタリアは、EU、特にドイツやオランダの北の諸国に批判的に見られてきた。2019年のイタリアの通貨危機に際し、ドイツやオランダはイタリアを財政支援することはイタリアの放漫財政のつけを勤勉な国が払うことになるとして反対した。そのことが、イタリアが中国との関係を緊密化する一方で、イタリアのEU離れの傾向を強めている1つの要因になっている。 武漢発の新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大は、イタリアでEUで最初の爆発的増加をもたらした。それが中国離れをもたらすかと言えば、結果は逆であった。中国からもたらされた感染拡大でイタリアが困り、マスクや医療機器の不足への支援をEU諸国に求める