ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並んで、「世界三大投資家」と称されるジム・ロジャーズ氏。著書『2030年 お金の世界地図』を上梓した彼は、「アメリカが覇権国家の座を譲る日は近い」と予測する。数多くのグローバル企業を生み、世界経済を牽引してきたアメリカが、なぜ没落してしまうのか……。その根拠を本人が解説する。 現在のアメリカは、有史以来、最大の債務国である。 アメリカの連邦政府が発行できる国債などの総額は法律で定められており、債務上限と呼ばれている。債務上限を超えて国債を発行するには、議会の承認が必要となる。 2023年、この債務上限をめぐる交渉が難航し、債務不履行(デフォルト)の危機に発展しかねない状況にあった。 結果的には、債務上限の適用を2025年1月まで停止する法案が可決。デフォルトの危機は回避されたが、連邦政府の公的債務残高は10月時点ですでに33兆2000億ドルを突破し