いま聞きたいQ&A さまざまな形で表れ始めた金融市場の「韻を踏む兆候」 2022/12/21 将来の見通しが立てづらいなか、市場関係者の間では過去に起きた経済的事象から、現状との類似性や長期にわたる周期性を探ろうとする動きが目立ちます。バブル発生時に特徴的な「投機的金融」にあたる事例は、すでに世界中で散見されています。今回も金融市場は、好ましくない形で韻を踏むことになるのでしょうか。 Q.金融市場の危うさを測るうえでヒントになるものはありますか? いま市場関係者が注目しているキーワードのひとつに、「ミンスキー・モーメント」があります。これはカネ余り時に生じた債務膨張や、身の丈を超えた過剰投資が限界を迎え、その反動として資産価格の急落や流動性の急低下などが始まるポイント(転機)を表す言葉です。バブルと金融危機の関係を解き明かした米国の経済学者、ハイマン・ミンスキー(1919~96年)にちなん