○三鷹市美術ギャラリー 『牧島如鳩展-神と仏の場所-』(2009年7月25日~8月23日) 牧島如鳩(まきしまにょきゅう、1892-1975)という画家を、どう説明すればいいのだろう。ハリストス正教の聖職者としてイコン(キリスト教の神や聖人像)を描くかたわら、仏画も手がけ、のちには両者を融合させた特異な宗教画を描いた。昨年秋、この展覧会が足利市立美術館で始まったとき、これが日本人の絵か、と疑うような印象鮮烈なポスターを見て、強い関心を抱いたが、結局、見逃してしまった。それが、嬉しいことに、足利→北海道をまわって、首都圏に巡回してきたのである。 如鳩は、16才でお茶の水のニコライ堂の神学校に入学し、山下りん(1857-1939)にイコン制作を学んだ(この女性画家の名前も、私には初耳)。初期の如鳩で私が好きな作品は、左右一対の『祈祷の天使』(修善寺ハリストス正教会所蔵)。特に目新しい点はないの