さつきさんが、「『科学原理主義』の弊害」と題した連続エントリを書いておられ、その2回目で水俣病に言及しておられる。 このエントリのブクマで、けっこういろんな意見が飛び交っているのだが、さつきさんがおっしゃりたかったことのキモは、以下のところにあるのではないか、というのが私の読み取りである(誤解であればすみません)。 メカニズムや因果関係の理論的解明は、科学の一つの目標である。しかし、一刻を争う多数の人命にかかわる課題に取り組んでいる時に、科学的な厳密さに欠ける点をついて、可能な対策提言を先延ばしにしてしまうような批判を行う態度は、まさに「科学原理主義」と呼ぶに相応しい。あるいは「科学バカ」と呼んでも良い。 「科学原理主義」は、しばしば、実体論や本質論に夢中になるあまり、現象論を軽視しがちになる。その弊害は、水俣の現場に足を運ばずして提唱された数々の珍説を振り返れば容易に納得されるであ