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ブックマーク / www.ringolab.com (7)

  • 殉教 日本人は何を信仰したか - 情報考学 Passion For The Future

    ・殉教 日人は何を信仰したか 「日における殉教のあり方は、世界のどこにもない特殊なものである。ローマ時代、キリスト教徒が迫害された時代は別として、わずか二十数年という短期間に確実に四千人を超える大量の殉教者が出たことは稀である(松田穀一「日切支丹と殉教」)。特に日における殉教は、後述するようにいかなる勧誘にも拷問にも屈せず行われた点で、特筆すべきものだと思われる。」 江戸時代のキリスト教弾圧は有名だが、実際には内面の信仰を厳しく問うわけではなく、表向き信仰を捨てたふりをすれば容易に許される程度のものだったそうだ。しかしキリシタンたちは、迫害されて死ねば天国に行けると信じて、敢えて役人が管理するキリシタン名簿に載りたがり、捕まると進んで信仰を告白し、厳しい拷問にも屈せずに死んでいった。 著者はキリシタン弾圧の実態を史料を読み解くことで、当時の政治的社会的な背景や実際にとられた政策を明

    ajita
    ajita 2010/04/16
    なんかキリシタンを美化しすぎてる印象を受けたが。宣教師たちは、神社仏閣への放火、僧侶の殺害、改宗強制を「神の御心に叶う行為」として推奨した。それは信教の自由を前提とした日本の市民道徳への挑戦だった。
  • 知識の社会史 - 情報考学 Passion For The Future

    ・知識の社会史 古今東西の社会と知識の関係を、大きく全体像を鳥瞰すると同時に、細部も観察する。博覧強記の著者だからできた包括的な知識の歴史学。古代から現代までの知識人、首都、図書館、宗教と官僚制、出版と市場、知識と分類などがキーワードである。 冒頭、知識とは何かの定義から始まる。バークは、 「情報」(Information)= 「生の」素材 特殊で実際的なもの 「知識」(Knowledge)=「調理された」素材 思考によって体系化されたもの としている。「生の」、「調理された」は人類学者レヴィ・ストロースのフィールドワークでの「自然」と「文化」の分類と同じ言葉である。そうすると知恵(Wisdom)とかデータも定義が欲しくなるのだが、知識の社会史は分類の歴史でもあった。 集めた情報を体系化し、再編成していくやり方は時代や地域によって大きく異なる。西洋の近代の学問体系に大きな影響を与えたベーコ

  • 読書の歴史―あるいは読者の歴史 - 情報考学 Passion For The Future

    読書歴史―あるいは読者の歴史 古代の甲骨文字や碑文から、現代のデジタルテキストまで、古今東西の読書と読者の歴史を博覧強記の著者が、次のようなユニークな20のキーワードで語っている。いつか書かれる「決定版 読者の歴史」のため敢えて未完の体裁をとっているが、極めて網羅的で完成度の高い歴史書である。名著。 20の章立て: 「陰影を読む」「黙読する人々」「記憶の書」「文字を読む術」「失われた第一ページ」「絵を読む」「読み聞かせ」「書物の形態」「一人でを読むこと」「読書の隠喩」「起源」「宇宙を創る人々」「未来を読む」「象徴的な読者」「壁に囲まれた読書」「書物泥棒」「朗読者としての作者」「読者としての翻訳者」「禁じられた読書」「書物馬鹿」 現代人が普通だと考えている読書スタイルは、長い文字文化歴史の中で比較的最近になって確立されたものだということがわかる。 西欧では10世紀くらいまで、読書は原

    ajita
    ajita 2009/08/13
    「ユダヤのタルムード研究者たちは原典に対して注釈を加えたが、常に古い注釈を批判的に読み、原典に立ち戻った再解釈を加えていった。結果としてひとつのテクストから無限ともいえるような創造が行われていく。」
  • 傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 - 情報考学 Passion For The Future

    ・傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 驚き。品包装用ラップで傷が治る?。2001年よりインターネットで傷を消毒しない、乾かさない「湿潤治療」を啓蒙する医師の書いた。コペルニクス的な転回が面白い。 ・新しい創傷医療 「消毒とガーゼ」の撲滅を目指して http://www.wound-treatment.jp/ 1 傷を消毒しない。消毒薬を含む薬剤を治療に使わない。 2 創面(キズ)を乾燥させない という二つの原則を守るだけで傷(擦り傷、切り傷、火傷など)が驚くほど早く、痛くなく治ってしまうという。そして消毒薬は、傷を治すどころか、人間の細胞膜タンパクまで破壊してしまうから使うべきではないとする。これまでの医療の常識を覆す最新治療法である。 傷が乾いてカサブタができたら治るというのもウソだと教える。 「カサブタは要するに、中にばい菌を閉じ込めて上から蓋をするようなものである。

  • 日本語に探る古代信仰―フェティシズムから神道まで - 情報考学 Passion For The Future

    ・日語に探る古代信仰―フェティシズムから神道まで 「日の古代信仰のもっとも中心的な課題は、霊魂の観念であり、それも遊離魂よりはむしろ霊力、呪力の観念であるが、日の学界ではこの種の霊魂観念に関する問題意識が乏しく、そのために呪術・宗教のもっとも基的な概念である「神聖」ということも、清浄なことと解して疑うことなく、賀茂祭のミアレ木や阿礼幡など、各種の儀礼に用いられる呪物も、神の依代だとする誤解が常識化している」 著者は古代の儀礼、神話、歌を資料として、霊魂と呪物・呪術に用いられた言葉を分析し、古代人の宗教意識を解明していく。最初に取り上げられているのは霊魂(タマ)の観念の分別である。古代語には呪力霊力(マナ)を表すタマと、遊離霊としてのタマがあるという話。 魂という言葉はタマシヒ(タマ=霊魂、シ=の、ヒ=霊力)からきている。平安の頃の用法ではタマシヒは霊力であり霊威であり、生まれつきの

  • ヤンキー文化論序説 - 情報考学 Passion For The Future

    ・ヤンキー文化論序説 凄く面白い。これまでスルーされてきた日文化質を見事に突いた気がする。微妙なテーマであり、勇気ある研究フォロワーがどのくらい続くのかが気になるところだが。 五十嵐太郎、宮台真司、都築響一、永江朗ら気鋭の論客達が日の「ヤンキー文化」を真面目に論じた論文集。多くの論者が自分はヤンキー体質ではなくて恐縮だがと前置きをしてから話を始めるのが特徴的である。 横浜銀蝿、BOOWY、矢沢永吉、つんく、SPEED、安室奈美恵、ヒップホップ、工藤静香、浜崎あゆみ、ケータイ小説、暴走族、気志團、YOSHIKI、DJ OZMA、祭り...。日文化の底流に流れる不良的な要素を大衆は愛する。地域の祭りも元ヤンキーの大人達が取り仕切る。 「日人の三大気質はヤンキー、ミーハー、オタクである」とナンシー関は言ったそうだが、このうちカルチャーの"ミーハー"と、サブカルの"オタク"は研究が進ん

    ajita
    ajita 2009/03/17
    ミネルヴァの梟は何とやら……か?
  • オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険 - 情報考学 Passion For The Future

    ・オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険 学術的には否定されているのに既成事実として何度もよみがえる心理学の話や考え方を叩き割る。 第一章のオオカミに育てられた少女アマラとカマラの話は作り話だったという事実に驚かされた。この事件は幼児期の大切さを説く材料として日の小学校の道徳や高校の倫理の教科書にも使われてきた。私も学校で聞いた記憶がある。 アマラとカマラについては、発見者らによって詳細な観察日誌(和訳も出版されている)や写真が大量に残されている。二人の少女らしき人物がいたことは事実のようなのだが、オオカミに育てられた、だとか、保護された後の生育状況などは真っ赤な嘘らしい。著者は専門家ならばすぐに見破れる大きな矛盾を幾つも指摘している。ところが、当時、資料を真に受けた発達心理学者の大物がアメリカに紹介したために、マスメディアが大きく取り上げて、世界中が当の話だと信じ込んでし

    ajita
    ajita 2008/11/11
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