東日本大震災からほぼ半年後の昨年夏、東京電力の原子力部門に勤める幹部技術者が、韓国の政府関係者から食事に招かれた。「給与はどの程度カットされましたか?」「今の待遇に満足ですか?」。幹部技術者と親しい東電幹部によると、会食の目的は転職の誘いだった。打診された移籍先は国営の韓国企業だったという。 同じころ、東電の別の男性社員も、韓国政府関係者から面会を求められた。待ち合わせ場所に行くと、「力を貸してもらえないか」と転職を持ち掛けられた。韓国側からどのような処遇を提示されたかは明らかではない。 関係者によると、2人とも転職の誘いを拒否し「今も原子力部門で働いている」(幹部)というが、東芝や日立製作所など世界最先端の原発を扱う東電の運用技術を狙った「ヘッドハンティング」の一端が浮かび上がった。 韓国では90年代以降、当時は規模が大きくなかったサムスン電子がソニーやパナソニックなど日本の花形企業の技
東京電力が4月から企業向けの電気料金を平均17%値上げする方針を示していることに対し、上田清司知事ら関東地方知事会(会長・横内正明山梨県知事)のメンバーが15日、東電の西沢俊夫社長、枝野幸男経済産業相らに中止を申し入れた。上田知事は「人類史上最大に国民・国家に迷惑をかけた企業だという自覚に欠けているのではないか」と東電批判を繰り広げた。 同知事会は関東地方など10都県の知事でつくる。この日は上田知事のほか、静岡県の川勝平太知事と群馬、山梨両県の副知事が東京電力本店(東京都千代田区)を訪れ、西沢社長に▽企業のコスト増につながらないよう特段の配慮を行うこと▽役員・社員の待遇についての情報公開、などを求める要望書を手渡した。上田知事によると、東電側から明確な返答はなかったという。 ◇枝野経産相、負担軽減を検討 上田知事らは経産省で枝野経産相にも面談した。上田知事は震災後の計画停電に協力した経緯な
東日本大震災による福島第一原発事故の衝撃は、当然ながらエネルギー政策について、大きな議論をまきおこした。それは、「原発」への依存度をあげようとしていていた従来の国の路線に根本的な変更を求めただけでなく、電力会社の地域独占と不透明な電力料金(総括原価方式)の見直しをはじめ、再生可能エネルギーの普及拡大に向けても「系統」(発送電システム)のあり方も含めて俎上に乗る議論が始まっている。 世田谷区では1月下旬、区施設111カ所で使用する大口契約(高圧受電施設)の電力購入をPPS(特定規模電気事業者)も含めた「競争入札」により決定することを発表した。東京電力の大口契約17%の値上げが発表されていた直後だったこともあり、大きな反響があった。東京23区でも練馬区など他の自治体でも導入・検討の動きが続いていると聞いている。国内メディアの取材以外にも、海外メディアからも続けて取材が現在も続いている。 PPS
電力自由化、一般家庭に拡大を=東京都世田谷区長が枝野経産相に要望 電力自由化、一般家庭に拡大を=東京都世田谷区長が枝野経産相に要望 東京都世田谷区の保坂展人区長は16日、経済産業省に枝野幸男経産相を訪ね、電力小売り自由化の範囲を拡大し、一般家庭も対象にするよう求める要望書を提出した。現在、特定規模電気事業者(PPS)から電力を購入できるのは大口需要家に限られ、一般家庭は大手電力会社としか契約できない。保坂区長は「区民からも(調達先を)選択したいという問い合わせがある」と述べ、検討を急ぐよう要請した。(2012/02/16-19:50)
たちあがれ日本の平沼赳夫代表は15日の記者会見で、橋下徹大阪市長率いる地域政党「大阪維新の会」がまとめた次期衆院選公約「維新版・船中八策」の骨格について「国家観がない」と一刀両断に切り捨てた。 さらに、政策について「並べてあることは憲法改正事項が非常に多く、果たして本気でこんなことを考えているのかなという感想を持った」と批判した。 東京都の石原慎太郎知事らとともに新党結成を目指す平沼氏は、橋下氏がこの公約への賛同を次期衆院選での連携の条件としていることに関し「彼からじかに聞いていないから、コメントはない」と述べ、否定的な見解を示した。 ただ、平沼氏や石原氏は知名度は高くても「新鮮さ」に欠け、大阪維新の会との連携は支持拡大に欠かせない。橋下氏と友好関係にある石原氏を介しての連携を模索してきたが、困難となりそうだ。 一方、「大阪維新の会」のブレーン、堺屋太一元経済企画庁長官は15日、国会内で講
政府のエネルギー政策の見直しの中で、原子力政策の一環としての「原子力バックエンド政策」の検討が始まっている。原子力のバックエンド事業とは、使用済核燃料(原子力発電所で使い終わった核燃料)や放射性廃棄物を、適切に処理・処分する事業のことである。発電に伴い発生するこれらの特殊な物質が適切に管理されなければ、原子力発電自体が成り立たないという重要な事業である。 ≪冷静に「バックエンド対策」を≫ 我が国ではバックエンド対策として、使用済核燃料を再処理し、その大部分を占める核燃料物質を回収して再利用する「再処理リサイクル路線(核燃料サイクル)」を選択してきた。青森県に建設された六ケ所再処理工場はこのための施設である。六ケ所工場では、本格稼働に向けた試験運転が続けられてきたものの、一部の工程の不調が続いて、その改善措置が進められているのが現状である。 現在、国民の原子力に対する不安感はピークにあり、原
共産党の志位和夫委員長は16日の記者会見で、橋下徹大阪市長が業務命令として職員に要請した政治活動への関与を尋ねるアンケートについて「市職員に限らず、一般の府民、国民への違憲、違法な調査だ。調査の即時中止と、回収したデータの即時廃棄を求める」と述べた。 その上で、昨年の大阪ダブル選挙で一部の職員らが違法性のある選挙運動を行った可能性があるとの指摘もあることを念頭に「労働組合運動の中できちんと正すべきことは自ら正すことが必要だが、こういう(調査の実施する)問題は許されない」とも述べた。 維新の会が公表した次期衆院選向けの政策集「維新版・船中八策」についても「適当なことを並べただけで、一番の本質は独裁を広げることにある」と批判した。
震災関係の議事録の不在や原発事故での最悪のシナリオにつ いて、巷間言われていることについて整理しておく。 昨年3月26日、発災後二週間強を経て官邸に急きょ呼び出され て任命を受けた総理大臣補佐官。 辞令には「東北地方太平洋沖地震災害及び原子力発電所事故の 対応を担当させる」と書いてあった。 官邸から政府・東電統合対策本部全体プロジェクトの会議に直 行するよう命ぜられ赴く。 そこで、細野補佐官から示されたのがいわゆる「最悪のシナ リオ」だった。 3月25日付のその資料には、さらなる水素爆発による格納容器 破損で放射性物質が次々に放出されるという不測の事態が描か れていた。 その時は細野補佐官から説明を受けシナリオを見せられただけ だった。 そして、総括リーダーとなった細野補佐官から、僕には放射性 物質の汚染拡大防止を図る「遮へいプロジェクト」のリーダー というミッションが指示された。 事態の
「大阪維新の会」(代表・橋下徹大阪市長)の政権公約「船中八策」の骨格について、政府や与野党から14日、評価の声が出る一方、参院廃止など憲法改正を伴う案に対し実現性への疑問も相次いだ。 民主党の前原誠司政調会長は14日の記者会見で「(衆参の)ねじれを解消する一つの案として、1院制はあり得る」と八策を評価。同時に「1院制の場合は、(参院廃止でなく)衆参統合が建設的ではないか」と述べた。みんなの党の江田憲司幹事長は「著作権料をもらいたいぐらい我々の政策と細かいところまで一緒」と語った。 一方、安住淳財務相は14日の閣議後会見で、憲法改正の必要な改革案について「現実の政権運営は国民の暮らしと日々向かい合いだ。中長期的な課題で『べき論』を言っている段階ではない」と強調。民主党の城島光力国対委員長は「新しい政党などが理想を掲げるのは当然だが、現実にはそうはいかない」と話した。 自民党の石原伸晃幹事長も
1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。 83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。 細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。 現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。 田中秀征 政権ウォッチ かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。 バックナンバー一覧 先週細川護煕元首相と2人でじっくりと意見交換をした。そして、1993年の政権交代で細川内閣が“質実国家”を掲げたことがやはり正しかったと確認した。 彼の基本的な考え方は、初めて会談したときと大筋で同じで、それ以後も私が見るところ基本政策でブレたことは一度もなかった。 20年前、細川政権誕生の きっかけになった対談 最初の会談は、92年の8月。経済雑誌で対談したとき。対談
原子力政策のあり方について「向こう10年で結論を出す」とし、意見集約を先送りした。特命委は福島第一原子力発電所の事故を受け、昨年7月から「脱原発」の是非を議論してきたが、原発推進派と脱原発派の対立を解消できなかった。 委員長の山本一太参院議員は記者会見で「再生可能エネルギーや、原発開発技術の動向などを見極める必要がある。先送りではない」と語ったが、エネルギー政策への姿勢が定まらない党の現状を露呈した格好だ。 特命委は、政府が新たなエネルギー基本計画をまとめる今夏をめどに最終報告をまとめる。 自民党内では、政府が1月に提出した原子力規制関連法案を巡っても足並みの乱れが生じている。新設する原子力規制庁を国家行政組織法上の「3条委員会」にするなど、政府案以上の独立性を求める声と、原発への過度の規制を懸念する声が混在しており、意見集約は難航が予想される。
大阪市の橋下徹市長が減税批判に続き、今度は「何をしたいのかはっきりしない。考え直した方がいい」と、中京都構想に苦言を呈した。 先月末に河村たかし名古屋市長の減税を批判し、次期衆院選での連携にも難色を示した橋下市長。今後の連携を模索する愛知県の大村秀章知事と河村市長は、「中京都の議論はこれから」と強調し、橋下市長の顔色をうかがうが、そんな2人の姿勢に既成政党からは厳しい批判の声が上がる。 大村、河村両氏が矢継ぎ早に踏み絵を迫られた形だが、民主党県連の黒川節男幹事長は「中京都構想は、昨年2月の選挙で橋下市長と連携するために持ち出したもので、そもそも構想自体に中身があったかどうか疑問。そこを橋下市長に見透かされ、表面だけ取り繕っている」とバッサリ。自民党県連の幹部も「橋下市長に翻弄されっぱなし。今後の連携ありきでこの地域の将来像を議論するなら本末転倒だ」と批判している。
武道必修化への不安が急速に広がっている。学習指導要領が改定され、4月から中学1、2年の体育の授業で実施される。原則として柔道、剣道、相撲が対象で6割ほどの学校が柔道を選択するとみられる。 直視しなければならない数字がある。中学と高校での柔道事故で昨年度までの28年間に114人の子どもが命を落とし、275人が重度の障害を負った。部活動中の事故が授業中を上回る。授業中が少ないのは動きが激しくなく時間も短いためで安全なわけではない。東海・北陸7県の中学で昨年度に起きた事故を分析すると、頭や首を負傷する割合は授業中が部活動中の2.4倍だった。必修化では男子に比べて運動経験の少ない女子も全員が対象となることを考慮しなければならない。 現場で指導にあたる体育の先生も不安を募らせる。大学時代に武道を履修しなかった先生は少なくない。各地の教育委員会は柔道未経験者を対象に地元の柔道連盟などと連携して講習会を
米軍普天間飛行場を抱える沖縄県宜野湾市長選に絡み、選挙介入と受け取られかねない「講話」を行った真部朗(まなべろう)沖縄防衛局長(54)の処分問題が長引いている。田中直紀防衛相は当初、真部氏を即刻更迭する方針だったが、真部氏の行動を過去にさかのぼって検証する必要があるとして先送りに。調査は十六日にも終わるが、政府内には「違法行為とはいえない」といった慎重論も出てきている。 (冨江直樹)
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