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ブックマーク / econ101.jp (15)

  • ポール・クルーグマン「経済学における物語の役割」

    Paul Krugman “The Role of Storytelling in Economics,” Krugman & Co., October 24, 2014. [“Jean Tirole and the Triumph of Calculated Silliness,” The Conscience of a Liberal, October 14, 2014] 経済学における物語の役割 by ポール・クルーグマン Studio Tchiz/The New York Times Syndicate フランス人経済学者ジャン・ティロールのノーベル経済学賞の話題には,ちょっと乗り遅れちゃった.すでに,大勢の人たちが彼の業績について大事なことをあれこれと言ってくれてる.でも,彼を最重要人物として擁してる新しい産業組織論が実際にやったことについて,まだぼくにも有益なことが言えそうだ―

    ポール・クルーグマン「経済学における物語の役割」
    nebokegao
    nebokegao 2014/10/26
    「新しい産業組織論がつくりだしたのは,解決策というよりは,とある態度だった/定理を証明するかわりに物語を語ってもかまわなくしてくれたんだ.」
  • ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」

    Paul Krugman, “Why Economists Worry About Population Growth,” Krugman & Co., May 30, 2014. [“Demography and the Bicycle Effect,” May 19, 2014;”Cheese-eating Job Creators,” May 21, 2014.] なんで経済学者は人口成長を気にかけるの? by ポール・クルーグマン Edwin Koo/The New York Times Syndicate 経済学者アルヴィン・ハンセンが「長期停滞」(secular stagnation) の概念をはじめて提案したとき,彼は投資需要の低迷に人口増加の鈍化が果たす役割を強調した. 現代の議論は,この強調点をふたたび取り上げるようになっている:日の労働人口減少は,あの国が抱えるいろん

    ポール・クルーグマン「なんで経済学者は人口成長を気にかけるの?」
    nebokegao
    nebokegao 2014/06/01
    「人口増加が鈍るのは,いいことになりうるし,そうなるべきだ――ただし,健全な政策としてまかり通ってるものは,この潜在的にはいい発展を大きな問題に変えてしまう見込みがあまりにも大きい」
  • タイラー・コーエン「白人アメリカ人は奴隷制とその遺産からどれだけ利益を得たのか」

    Tyler Cowen”How much have white Americans benefited from slavery and its legacy?” (Marginal Revolution, May 25, 2014) 補償に関するタナシー・コーツのエッセイについて、多くの人が議論している。エズラ・クラインがこの論議を次のように要約している。 コーツが示しているのは、自らのために複利の力を手にしようと、白人によるアメリカは数百年にも渡って殺傷兵器や人種差別的法律、偏った裁判所や居住地隔離を用いてきたということだ。彼が何度も繰り返し使っている単語は「略奪」である。白人によるアメリカは、アフリカアメリカ人の働きを盗むことによってその富を築き、そしてそれが違法となってからはアフリカアメリカ人の働きと芽生え始めた彼らの富を略奪することでさらに富を増した。そして次には、決定的なこ

    タイラー・コーエン「白人アメリカ人は奴隷制とその遺産からどれだけ利益を得たのか」
  • タイラー・コーエン 「ケインズとフリードマンの違いとは?」(2006年12月1日)

    ●Tyler Cowen, “How did Friedman differ from Keynes?”(Marginal Revolution, December 1, 2006) ブラッド・デロング(Brad DeLong)とグレゴリー・マンキュー(Greg Mankiw)が、フリードマンとケインズの違いについて洞察力のあるコメントをそれぞれ加えている。マクロ経済学の分野に話を限定すると、フリードマンとケインズの違いはどこにあるんだろうか? 私なりにその違いを列挙すると、以下のようになるだろう。 1. LM曲線が水平になり得る――言い換えると、経済が「流動性の罠」に嵌(はま)る可能性がある――と考えたのがケインズ。そうなる可能性を否定したのがフリードマン。これはフリードマン自身による解釈だが――少なくとも『Milton Friedman’s Monetary Framework』(邦訳

    タイラー・コーエン 「ケインズとフリードマンの違いとは?」(2006年12月1日)
  • ポール・クルーグマン「人々はほんとに分相応なものを受け取っているのか?」

    Paul Krugman, “Do People Really Get What They Deserve?,” Krugman & Co., February 21, 2014. [“Vox Anti-Populi“; このブログ版の訳文はすでに掲載済みです)] 人々はほんとに分相応なものを受け取っているのか? by ポール・クルーグマン PETT/The New York Times Syndicate ぼくの学生だったリチャード・ボールドウィンが編集してる VoxEU は,いま現在の政策をとりあげる経済オンライン・ジャーナルだ.そこに,格差に関するすぐれた記事が2つ掲載されている. 1つ目は,英ウォーウィック大学の経済学教授アンドリュー・オズワルドとメルボルン応用経済学・社会研究所のフェローであるナッターヴート・ポータヴィーによるもので,相続や自らの努力によってではなくて,宝くじに当

    ポール・クルーグマン「人々はほんとに分相応なものを受け取っているのか?」
    nebokegao
    nebokegao 2014/02/24
    「宝くじという純粋に偶然によってお金持ちになった人たちであっても,やっぱり「社会は公平だ」と信じるようになっている/格差拡大は社会的公正の問題につきるものではない」
  • ジェフリー・フランケル「外部性:市場メカニズムの退潮」

    Jeffrey Frankel “Market mechanisms for regulation: Cap-and-trade and Obamacare” (VOX, 20 January 2014) キャップ・アンド・トレード [1]訳注;排出権取引のような、権利の上限設定とその市場取引によって外部性を解決するもの。 のような市場に基づいたメカニズムは、指令・制御型の規制よりも効率的に外部性の問題へ対処することが出来る。稿では、市場に基づいた環境規制の共和党による廃止と、彼らによる最近の義務的健康保険への不同意の類似性を指摘する。著者の主張は、市場に基づいた規制の代替策は実のところ無規制ではなく、非効率な統制と補助金への回帰であるというものである。 市場は失敗する。しかし市場メカニズムは多くの場合、政府にとってそうした失敗を解決するための最善の方法である。そうしたことは大気汚染、交

    ジェフリー・フランケル「外部性:市場メカニズムの退潮」
    nebokegao
    nebokegao 2014/01/22
    ]「市場に基づいた規制の代替策は実のところ無規制ではなく、非効率な統制と補助金への回帰である」
  • クルーグマン「(すんごい)お金持ちはいっそう(すっごく)お金持ちになってる」/「有害な格差」

    Paul Krugman, “The (Very) Rich Are Getting (Much) Richer”, September 20, 2013. (すんごい)お金持ちはいっそう(すっごく)お金持ちになってる(2013年9月20日) by ポール・クルーグマン Ozier Muhammad/The New York Times Syndicate 格差談義大好きさんたちは,Piketty-Saez のデータ更新を心待ちにしている.経済学者 Thomas Piketty と Emmanuel Saez によるデータは,所得税申告をもとに合衆国における所得が頂点に集中している度合いを推計している. 最新版は,期待を裏切らない内容だ:データからは,予想通りとはいえ確証がなかったことが見て取れる.大多数のアメリカ人がいまだに苦しんでいるなか,すんごいお金持ちは大不況から回復してお元気そう

    クルーグマン「(すんごい)お金持ちはいっそう(すっごく)お金持ちになってる」/「有害な格差」
  • タイラー・コーエン 「スイスでベーシックインカム導入?」(2013年10月5日)

    ●Tyler Cowen, “Will the Swiss vote in a guaranteed annual income?”(Marginal Revolution, October 5, 2013)/【訳者による追記】ちなみに、ベーシックインカムの導入の可否をめぐる国民投票は2016年6月5日に実施され、反対多数で否決されている。 すべての成人を対象としたベーシックインカムの導入の可否をめぐり、スイスで国民投票(レファレンダム)が実施される運びとなった。金融危機以降の所得格差の拡大に抗う積極主義(activism)がスイス国民の間でさらにその勢いを増していることを示す証拠の一つと言えよう。 スイスに在住するすべての成人に対して、政府が無条件で毎月2500フラン(2800ドル) [1] 訳注;現在の為替レートで換算すると、日円ではおよそ27万円 を支給する、というのが今回の提案の

    タイラー・コーエン 「スイスでベーシックインカム導入?」(2013年10月5日)
  • ポール・クルーグマン、日本への緊急提言

    Paul Krugman, “Japan: Don’t Ruin A Good Thing”, September 19, 2013. 日:いいところを邪魔すんな by ポール・クルーグマン Paresh/The Khaleej Times – Dubai, UAE/CartoonArts International/The New York Times Syndicate ここまでのところ、アベノミクスはホントにホントうまくいってる。「日銀行は変わったんだ」、「宴もたけなわのところで酒瓶を片付けてしまうようなマネはしない」、「持続的なプラスのインフレ率を目標にする」とシグナルを送り、また、債務は高水準ではあるものの、なんらかの財政刺激をまもなく行うというシグナルも送ることによって、日の当局者たちは、短期の経済実績で刮目すべき転回を成し遂げた。 でも、この短期の成功は、自己破滅的なお

    ポール・クルーグマン、日本への緊急提言
  • どうして政府が医療保険を提供するか « 経済学101

    アメリカで政府が医療保険を国民全員に提供するかで騒動になっているが、どうして政府が医療保険を提供するのか。たまたま、その不十分な解説が回ってきたので補足。 なぜ米国の医療保険はオワコンで、日の医療保険は絶賛されているのか、の解説。 – Togetter しかし保険加入者の数を増やしてしまえば(日だと全国民の127,450,460人)、理論値と現実の数がほとんどズレなく求める事が可能なわけです。さて仮に、民間企業がこの医療保険産業に入るのに規制がかからないとどうなるでしょう?言うまでもなくどんどん保険加入者の母数が割れて行きます 民間保険が成立しない理由を大数の法則で説明されているが、これは正しいとは言えない。確かに複数の主体(民間保険会社)が保険を提供すれば、一つ当たりの加入者は減るがそれはどんな保険にも当てはまる。生命保険は主に民間企業が提供しているが(少なくとも大数の法則に関して)

  • 残念なTPP反対論 « 経済学101

    TPPについては時期を逸した感があるが、何やら不思議な文章が京都から流れてきたので紹介。 藤井聡:TPPに反し続ける事が,日国民としての正しき真っ当な善き振る舞いである タイトルからして近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、「TPP参加は,経済学的にも政治学的にも,そして倫理学的にも全く不当な判断であることが論証できる」などとあるので軽く突っ込んでみる。 第一に,TPPは国益に叶うものでなければなりません.国益とは,特定の人々の利益を言うのではなく,日国家全体,日国民全体にとっての利益をいうものです.つまり,日の国民国家全体にとってのメリットとデメリットの双方を勘案して,総合的に判断しなければなりません.そしてメリットは輸出を増やすことですが… 第一弾は経済学的な論証だ。国益が国民全体についての利益であることはその通りだろうが、そのメリットは輸出を増やすことではない。日人が頑張っ

  • 男女平等度 « 経済学101

    今年も世界経済フォーラムのあまり意味のない指数が話題になっているので前に書いたものを元に紹介。それにしてもランキングにすると注目だけはよく集まる。 男女平等度は北欧勢が上位独占、日は98位=WEF調査 ちなみにこの報告書の名前は、Gender Gap Reportなので、男女平等度というよりも男女格差度(指数)の方が適切だろう。日について詳細は212、213ページに乗っている。 ただ、この指標を見る上では重要なポイントが3つほどある。 絶対的な水準ではなく、男女の差だけでが対象である。例えば男女ともに寿命が短い国はランキング上がる。 結果の平等である。よって育児休暇があるかといった制度の問題は取捨され、単に管理職の女性の割合は何%かだけが問題となる。 女性の割合が高い場合は切り下げる。よって女性の進学率が倍の国は男女の進学率が同じ国と同様に男女「平等」という計算になる。 また、そもそも

  • 成熟した消費者って何? « 経済学101

    おかしな記事にツッコミを入れるのも公益に資すると思われるので、今回は「成熟した消費者」を語る以下の記事を取り上げる。 さよならアメリカ、さよなら中国 (内田樹の研究室) 一円でも安ければそちらを買う、というのは、私の定義によれば「未成熟な消費者」ということになる。 「成熟した消費者」とは、パーソナルな、あるいはローカルな基準にもとづいて商品を選好するので、消費動向の予測が立たない消費者のことである。 価格だけを気にするのが「未成熟な消費者」、多様な基準を持つのが「成熟した消費者」とのこと。この定義で言えば、どんな消費者も「成熟した消費者」だろう(例えば、iPhoneはどこから生まれたのだろう)。 同じクオリティの商品であっても、「国民経済的観点」から「雇用拡大に資する」とか「業界を下支えできる」と思えば、割高でも国産品を買う。あるいは貿易収支上のバランスを考えて割高でも外国製品を買う。そ

  • オリンパス101 « 経済学101

    101というキーワードに惹かれて、オリンパスに関する記事を取り上げてみる(h/t Yuki Hosoya) 。 【コラム】「オリンパス・ショック」は世界の反面教師-ペセック (1) – Bloomberg 世界各地のMBA(経営学修士号)カリキュラムには、新設講座として「オリンパス101」を追加すべきだ。実業界の大物を志す者にとって、危機打開、大手企業の経営、世界3位の日経済のかじ取りにおいて、反面教師の例を学ぶことは時宜にかなった実践演習になるだろう。 オリンパスの一見がMBAプログラムの新しいケーススタディになるのは確実だろう。世界的に名の知られた企業で、(まだ情報は十分に出てきてはいないが)あからさまに真っ黒事件が起きるのはそれなりに珍しい。 プロスペクト・アセット・マネジメントの創業者、カーティス・フリーズ氏によれば、そんなことがまかり通るのは、会社に「頭脳よりもカネの方が多い」

    nebokegao
    nebokegao 2011/10/25
    「経営陣がバカであるという仮定には無理があるし、もしそんな仮定をおいてもいいならどんな不祥事もそれで説明できてしまう/正義などなくてもうまく回る仕組みこそコーポレート・ガバナンスに求められている」
  • 政府の自然発生 « 経済学101

    経済の人がみんな好きそうなエピソードが紹介されている。メキシカンマフィアという組織についてだ。 The Mexican Mafia — Marginal Revolution The Mexican Mafia is a fairly small prison gang (perhaps 150-300 made members) and it has significant operational control only within prisons in Southern California yet the Mexican Mafia is extremely powerful. In fact, the MM taxes hundreds of often larger Southern California street gangs at rates of 10-30% of

    nebokegao
    nebokegao 2011/10/25
    無秩序な社会に政府的な機関が生じるというメキシカンマフィアの例。面白い。おそろしい
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